Recombination & Repair (2)
- (#12) トランスポゾンとは何なのでしょうか?生き物として定義はできないけれど、まるで生き物のようにゲノムの中をでたり入ったりと、意志を持っているかのように動き回ることができる事を不思議に思いました。トランスポゾンのゲノムから出たり入っ
たりする性質を利用することができれば、遺伝子治療なども思いのままなのではない
でしょうか?
- (#12-#7) トランスポゾンが遺伝子治療に向けて役に立つという考えはすごくいいアイデアにだと思います。トランスポゾンがDNAに入る機構は何らかのヒントを与えてくれるように思います。しかしそのままトランスポゾンが入ってしまうとその後の配列が狂ってしまい、正常な発現系ができなくなる恐れもあると思うのですが。
- (#12#16)トランスポゾンは転位性遺伝因子の一つで、DNA 上のある部位から他の部位へ移動するDNA 単位のことです。トランスポゾンの遺伝子内への挿入は応用できれば遺伝子治療に効果的ですが、トランスポゾンの転位する部位は一定ではなくランダムに転位するため、その制御は困難であり実用化は難しいのではないかと思われます。また、宿主染色体中に挿入されると挿入変異によりタンパク質の合成が停止したりタンパク質の変異を生じたりしますし、極性効果により挿入部位より下流にある遺伝子群の形質発現を阻害することもありえるので、これらの問題を解決できなければ危険すぎて実用化は無理だと思います。
- (#11)今回の講義の最後で話題に上がった、生物において環境変化が起 こったときに脱メチル化がDNA上に起こるため、トランスポゾ ンが動き出し、変異が起こるということだ。このことはとても印
象深かったが、この脱メチル化とトランスポゾンを利用することが できれば遺伝子の発現をある程度調節できるのではないかと思った。
- (#11-#5) 私も脱メチル化とトランスポゾンにより、遺伝子の発現を調節することがある程度可能であると考えました。まだまだトランスポゾンについては謎な部分が多いように思えましたが、今後このことを利用することにより、#12さんもおしゃっていたように、遺伝子治療などに応用できたらすばらしいことだと思います。
- (#7)先生が口頭でおっしゃっていたことですが、DNAのメチル化レベルが変わるとトランスポゾンが一斉に動き始めるということにミステリーを感じました。メチル化はDNAの不活性化に伴い増加すると習いましたが、メチル化レベルが下がるとトランスポゾンも動く頻度が下がるのでしょうか?またそれはDNAの不活性とは関係あるのだろうか?
- (#13)今日の講義では、DNA-only transposonがそのコピー数を増やすときにそのDNAを複製することで別の配列に組み込まれる(fig.5-72)ことがミステリーです。このトランスポゾンは一体どぅやって複製できるのか、不思議でなりません。
- (#13-#17) 個人的な意見としては、DNA-only transposon が Fig. 5-72 のように複製しながら他のサイトに組み込まれるよりは、一度
loop out したものが染色体外DNAとして複製されて新しいサイトに移動していると考えたほうが、納得できます。 ただ、loop out
した環状DNAがどうやって複製されるかはよくわかりません。 何かの拍子にニックが入って、ローリングサークル複製のようなことが起こるのでしょうか?
- (#1)レトロウィルスが遺伝子に組み込まれる際に、逆転写酵素により、RNA→DNAの反応を起こすが、その時一緒に働くRNaseHの動きがミステリーであった。RNAを鋳型としReverse
TranscriptaseがDNA鎖を作っていくのだが、二本鎖DNAにするために、片方のDNA鎖が作り終わるとスナップバックして、作られたDNA鎖を元にRNAをRNaseHで消化しながら二本目のDNAを作るとの説明であった。そのRNaseHが働き始めるタイミングはスナップバックする直前なんだろうが、何を感知してRNaseHは働き始めるのであろうか?すこしでも早く始めてしまえばDNA鎖は短くなってしまうし、あまり遅いと、次の鎖のDNA合成の邪魔になるし、RNaseHが始まるちゃんとしたタイミングは何で計っているのであろうかと不思議であった。
- (#18)環境の激変によって、染色体上で働いていなかったトランスポゾンやLINE、 SINE配列が動き出し、染色体の大幅な変化を引き起こす。その結果、種の分化がおこ
る。確かに1細胞レベルだと、染色体の変化が細胞の特徴を劇的に変化させるという ことは分かりやすいのだが、とても多くの細胞から成り立っている個体レベルではど
うなのだろうか?親の代では変化は起こらずに、生殖細胞において変化が生じること で、子の代から劇的に変化するのだろうか?
- (#18-#2)環境の激変によって染色体の大幅な変化が起こり、その結果種の分化が起
こる。これは高等生物にも当てはまることだと思います。そのために蛋白質の変化が生じているのではないだろうか。重要な蛋白質ならば病気の原因にもなるのかもしれない。
- (#18−#4) 親の代では変化は起こらずに、生殖細胞において変化が生じること で、子の代から劇的に変化するのだろうか?たしかにその考え方、というかシステムというか、に不思議に思いました。何らかのシグナル伝達機構が、個体の過度のストレスを、生殖細胞に伝達するのでしょうか。また、一般に、ストレスが多いとガンになりやすいというのには、トランスポゾンが関係しているかも、と短絡的に考えました。
- (#3)サルモネラ菌のフラジェリンに見られる染色体の逆位による遺伝子発現の切り換えのようなものこそ、トランスポゾンやそれに関した一見無意味なリピートに対する答えとなり得るのではないでしょうか。このような機構により、ひとつの生物種の集団の中に遺伝子レベルの「ゆらぎ、多様性」が生じて、そのことにより環境変化に適応できるようになるのではないでしょうか。よってこれらの一見無意味な配列は遺伝子が環境適応能を得るための「余裕」だと考えられないでしょうか。
- (#6)レトロウィルスの逆転写酵素はDNA-RNA二重鎖を作り、ポリメラーゼドメインに共有結合しているRNaseドメインにより、レトロウィルス自身であるRNAを分解する。それから二本鎖
DNAを作り上げ、宿主染色体に組み込まれるということを知ったが、RNaseドメインをもつポリメラ−ゼがRNAに結合していて、レトロウィルス自身は過ってDNAと二重鎖を作る前に分解されてしまうことはないのだろうか?また、ポリメラ−ゼはどのようにRNAに結合しているのだろうか?
- (#17)逆転写酵素がRNAを鋳型としてDNA鎖を合成する際、端まで合成した後に折り返してもう一方のDNA鎖も合成してしまうことに驚いた。 また逆転写酵素が2つの活性(逆転写活性とRNAseH活性)というを持っていることと、右手に例えられる構造が、DNAポリメラーゼと似ている点が面白い。 本日の講義全体を通して、全ゲノムの40%以上を占めるレトロトランスポゾンやトランスポゾンの存在そのものを疑問に思った。 膨大なコピー数から、長い進化の過程で蓄積してきたものであると考えられるが、このような「動く配列」を持ち続けていると、蛋白質をコードする領域にこれらが挿入されてしまう危険性があると思う。
- (#4)進化が必要なほど過酷な条件になると、細胞内でトランスポゾンの高い頻度の移動がみられるとのことですが、その仕組みが不思議だと思いました。また、下等生物にはトランスポゾンが少なくて、高等生物にはトランスポゾンが多い(例外もありますが)のは、下等生物はトランスポゾンがなくても、絶対的な個体数が多い分、変異体が出現する確率も高いので必要ないのかなと思いました。
- (#4-#1)絶対的な個体数が多い分、変異体が出現する確率も高いので必要ないのかなと思いました」
私もそう考えます。個体数が多いと変異の起きる可能性も比例して大きくなっていくと思います。しかし、それだけが要因なのではなく、イントロンを捨ててしまったように、トランスポゾンも必要無しとみなし、捨てていってしまったという、考え方も出来るのでは無いでしょうか?
- (#16)環境の激変によりDNA のメチル化が解除されLINE やSINE などが発現し易くなり環境に適応し易くなることが実験的に分かっているそうだけれど、どのようにしてメチル化を解除したのだろうか?また、過去に起こったそのような環境適応の痕跡は遺伝子中に残っているのだろうか?それを調べることでもこれらの発現についての参考になるのではないだろうか?
- (#2)L1RNAがDNAにうまく取り込まれていくシステムに驚きました。ニックを入れて、そこをプライマーとして読んでいき、ターゲットDNAにL1を入れてしまうのだ。ニックが入るところというのは、どのようにして決められるのか疑問に思いました。
- (#2-#13) 私もnickの入る場所について、何によって決定されるのかがとても疑問です。ランダムに決まるとは考えにくいです。