広島大学大学院工学研究科 輸送・環境システム専攻「耐空耐航性能研究室」

地面効果翼機とは,翼が地面近傍を飛行する際にその揚抗比(揚力と抗力の比率)が大幅に向上することを利用した特殊航空機であり,次世代の高速大量輸送機関として研究開発が行われている.

これまで地面効果翼機は,飛行高度による風圧中心の移動量 が大きいことに起因する安定性に関する問題がネックとなり,少なくとも我が国では実機として開発された例がほとんどない. 当研究室では,2002年から鳥取大学との共同研究を通じて,前翼式を採用することによりこの問題,および波浪面上での離水に関する問題を克服できることを確認してきた. 既に2mクラスのラジコン模型レベルでの自航試験による検証を終えており,今後は計測計器を搭載できるスケールでの自航模型試験による確認を行っていくことになる.

地面効果翼機は,専用の主翼翼型の開発,専用の推進器の開発など,一般の航空機と稼動環境が大きく異なることに起因した新たな研究開発をしなくてはならない部分が多い乗り物である. これら個々の研究開発を共同で行うことが可能であり,将来的には国内で初めての数十人乗りの実機の開発を目指したい.

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当研究室では,1994年〜2001年の間,学生有志とともに人力水中翼艇を設計・製作して浜名湖で開催されている「浜名湖ソーラー&人力ボート全日本選手権大会」に出場し,学生部門7年連続優勝を達成して来た. また2002年からは人力双発プロペラ機を設計・製作し,毎年琵琶湖で開催されている「鳥人間コンテスト」に参加している.

それらの設計に関しては,当研究室で行った船舶工学や航空工学分野での大型曳航水槽や風洞を用いた研究成果の一部が応用されている. また,製作に関しては,長年の活動を通じてCFRPの加工技術や駆動システムの製作技術などを構築して来ている.

これらの技術に関心がある企業や団体等との共同研究・開発や技術教示などが可能である. 実績として,2005年の鳥人間コンテストに呉市「大和ミュージアム」から参加する滑空機(フォーミュラークラス)の設計・製作を指導している.

  • 理論解析
  • 風洞試験
  • 風洞実験
  • 飛行場試験

風力タービンは,深刻化する地球環境問題を解決していくための自然エネルギー利用技術の一つとして期待されている. これまで欧米では風力タービンの大型化による発電量の増大が図られて来た経緯があるが, 我が国のような風況にあっては,むしろ小型分散化による風力タービンの普及が効率的であるという観点から,小型・マイクロ風車の研究開発が一つのトレンドとなっている.

大型の風力タービンには通常,機械式のピッチ角制御機構が用いられ,様々な風速に対応した発電効率の最適化と,過回転を防止するためのフェザーリング制御を行っている. 一方,小型・マイクロ風車の場合には機械式制御機構の採用はコスト的に高価になるという問題点があり,そうした制御機構を有さない商品が多いのが現状である.

当研究室では既にNEDOからの助成により,弾性複合材を用いて風力タービンブレードのピッチ角をパッシブに制御し,フェザーリングを行う新しい機構を提案・開発している. 風洞試験でもその効果を確認し,研究発表会等の場でも,新しい着想による機構として高い評価を受けているところである. この弾性複合材料による機構を応用して高度化させるとともに,実際の風力タービンに対して最適設計して実用機として稼動させるための研究開発等を共同で行うことが可能である.

  • 水槽曳航試験
  • 理論計算
  • 波浪中を航走する船の船体運動
  • 波浪中を航走する船に作用する抵抗増加

世界の物流の9割以上を占めるのが船舶による輸送である. 船舶は波浪を伴う外洋を航走することになるが,その際,入射波により船舶には6自由度の運動が誘起される. 船体が運動すると船体が非定常な波を造波することになり,これにより平水中を航走する場合と比べて抵抗が増加し,船速低下を招く. 当研究室では,そうした波浪中の船体運動,非定常造波,抵抗増加の理論解析法に関する研究を遂行してきている.

これまで,前進速度影響や三次元影響を考慮した理論推定法として境界要素法をベースとした周波数領域解法や時間領域解法を手掛けて 来ており,水槽試験結果との詳細な比較を通じて、それらの妥当性や推定精度の検証を行っている. 特に非定常波の計測技術やそれを用いた抵抗増加の推定については,国内随一の実績を誇っている.

最近は,これまでに構築してきた理論推定法を応用して,高速船の耐航性能や,商船の抵抗増加低減法に関する研究を実施している.

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