なぜ宗教は平和を妨げるのか:「正義」「大義」の名の下に
出版社:講談社+α新書 価格:882円
イスラム原理主義に拘る人たちがいま世界にさまざまな困難をもたらしているとつい思ってしまう。しかし、それに対抗する「アメリカ教」という隠された宗教が問題であるという指摘は納得できる。そのイスラムはアメリカの影であり、逆にアメリカはイスラムの影であるというのが、著者のユニークな主張である。
いま世界で生じている困難きわまりない紛争のほとんどが宗教に深くからんでいることを具体的に細やかに記していて、解決はいやはや難しいことだと実感する。
その宗教に対して、宗教学者である著者は驚くほどに厳しいことを言う。正義の仮面を被った人間のエゴの面があるというのだ。いわゆる無宗教が多い日本人だが、ここで宗教について深く考えてみたい。
(毎日新聞『本と出会う』2004年3月21日朝刊より)