宋代史研究会代表世話人就任のご挨拶
近藤一成
本年8月7日、支笏湖畔で開催された2004年度宋代史研究会総会(幹事校北海道大学)において代表世話人を仰せつかりました。皆様ご承知のように、岡山での2002年度総会で会則および代表世話人についての議論がなされ、昨年の2003年度高知の総会で正式承認、今回の決定に到りました。各総会の幹事の方々のご尽力がようやく結実したわけで、これまでのご努力に敬意を表します。
当日の総会に出席した会員のなかで、確かに私は伊原弘氏とともに28年前の本会設立にかかわった一人ですが、当時と研究環境は一変しており、会員歴の長いことに取り柄があるとは思えません。また会則の議論のなかで確認されたように、代表世話人は会の運営に実際に「汗をかく」人でなければなりません。勿論、私もその労は厭いませんが、ほかに適任者が沢山おられるように思いました。ただ今回は、まったく新しい試みの実質1年半、いわば試運転期間の慣らし運転、露払い役ということでお引き受けした次第です。
現今の日本の中国史学界は、断代史、分野別の学会ないし研究会の活動が盛んです。それぞれが発足時の事情を濃厚に継承し、各会が特色ある運営を展開しています。本会もその例に洩れず、これまた各会同様にその運営方法には長所と短所があり、その短所を克服し長所を伸ばすことが当面の課題と考えます。話は大きくなりますが、国の科学研究政策は何といっても理系中心に構想されており、また大型プロジェクト優先の論理で動いているようです。しかし、世界的な競争力を誇る日本の製造業が、優秀な中小企業の技術力に下支えされているように、研究の大型プロジェクトといえども結局は参加する研究者の研究能力がことの成否を左右します。
ということで私は、本会の存在理由の第一を、宋代史研究者としての職人技を互いに磨きあう場であるところに求めたいと考えております。しかも、団結する必要はありませんが、それを老・壮・青の切磋琢磨のなかで。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2004年9月

近藤一成代表世話人(2004年8月北海道合宿にて)