ディベートの記録 平成12年5月8日
「広島県の土地開発は必要か否か−自然と人間との共生を考える」
グループディスカッション(10分間)で作戦を立てた後、幾つかの話題について議論を行った。今回は30分間と少なかったせいか、議論の収束はみられなかった。しかし、以下の議論の中で不足している視点などを掘り下げたのち、更なる議論の機会を作りたい。
Y井上;宅地開発の需要があるから、開発が進んでいる。
N松本;でも、本当に必要とされているのか。その根拠は?
O;資料にあるように、人口は1980年代以降も増加傾向にあり、それは想像できる。
N三浦;でも、現に、五日市は売れ残っている。
Y吉田;駅前には空き地があり、その再開発もしていくべき。例えば高層化して、商業地化することで、利益を上げ、広島の財政を良好化すべきである。それを、環境保護等に還元することができる。
N三浦;でも広島はコンサートしても人は集まらない傾向がある。つまり、新しいのができたらそこはにぎわうかもしれないが、それ以外のところで客足が引くのではないか。
N木村;実際に、専門家が検討している広島市の方では動きがない。具体化しないのではないか。
Y小関;生活していく上では必ず環境を破壊するので、開発によって環境が多少破壊されるのは仕方がない。それより、開発はするけど、環境保全もするというように共生的な考えでいけばよいのではないか。
N木村;でも、建設会社のみが利益を上げる傾向はいかがなものか。
N松本;建設会社は、アセスをこれまで考えていたとは言い難い。現に、がけ崩れが昨年多発しているのも開発した地域である。
O;しかし、10年前もがけ崩れはあった。なぜその時考えられなかったのか。
N本村;かつてはそういう時代ではなかった。
N木村;バブル全盛で、利益最優先だった。
Y中村;当時因島大橋の開通は観光の起爆剤となった。観光としての価値はその後すぐ下火になったが、陸地でつながり緊急時、例えば病院の利用などの問題は解決した。
N本村;ニュースで見たが、橋の開通で船舶業界は打撃を受けた。つまり、開発に関連した土建屋だけが利益を上げただけではないか。また、病院も島内に造ればすむことだと思う。
O;そうはいっても、大病院を経営していくには無理があり、緊急度の高い専門医を雇い、機器を整備維持することは結局できないだろう。
N松本;でも、島には多くの船があり、それで緊急時は運ぶことができるのでは。
Y中村;ところで、岡山は瀬戸大橋建設の結果栄えたのではないか。
Y井上;そういう効果は少しあったと思う。
N三浦;でも、しまなみ街道の向島は、今も船が便利で、橋の開発の意味は本当にあったのだろうか。
Y小関;土建屋も環境を守るほうへ利用すれば、良いのではないか。つまり、上げた利益を環境保全に投資させるというように。
N木村;建設業者は、土地を買い取り、水道、下水等まで完備するという総合開発をした場合、高くなるから売れにくくなる。だから、手を抜くのではないか。
Y吉田;やはり、よい暮らしをしたい。だから、衛生的、便利(家電、食料)さといういみでも、十分な開発をした住宅を買いたいと思う。
Y中村;ごみが出るなどの問題は、良い暮らしを妨げることになる。
Y吉田;ごみなどの管理を念頭に置いた開発が今後必要ではないか。
N松本;共生を考えた上で、開発をしいくべきである。
Y船本;開発してから、人の動きを作るべきである。(ある程度開発をもって人の動きにともなう環境破壊を制御する)
Y吉田;環境保全というが、開発しないことが本当によいといえるのか。
N本村;薬等の開発のためには、遺伝子の多様性を理解していくこととともに保全していくことが必要であり、そのためには、自然保護は不可欠である。
O;しかし、新たな遺伝子を発見するという意味では開発も必要なのかもしれない。
*議論の内容は多少編集されています。