2002年7月18日
Endeavor
〜ロードアイランド大学研究船エンデバー〜


お待たせしました。いよいよENDEVORでの航海の様子を紹介させていただきます

6月20日にウッズホールを出発、その日に船に到着し装置のセットアップ、6月23日出航、7月16日帰港と私の中ではかつてない長期航海でした。正直にいって、かなりきつくつらい航海でしたがいろいろと勉強できたし、楽しいこともありました。

まずはENDEVORの紹介から

以前のHPでENDEVORの概要をお知らせしましたが、サイズ的には東京大学海洋研究所淡青丸に近いサイズの研究船です。以前のHPで1993年のMid-life Refitで真ん中をちょんぎって付け足すいわゆる増トンをしたのではないかと書きましたが、これは間違いで、で1993年のMid-life Refitではわずか1.5m程度しか長さはのびておらず、基本的に建造当時からこのサイズだったようです。

この船の特徴は前にも書きましたが実験室が広いこと、その一言ですが、それに匹敵するくらいの特徴が2つ。

まずはじめはエンジンが船の船首に近い位置にあることです。船首甲板の下からブリッジの下の下あたりが機関室です。下の写真からわかるようにブリッジのすぐ後ろに煙突があります。船首から順番に機関室、ストレージ、キッチン・食堂、ドラフトのある小さい実験室・図書室がありその後ろがメインのドライラボ、そしてその後ろが作業甲板です。そのおかげでメインのドライラボが至って静かで、エンジン音や振動などがほとんどしません。作業甲板に至っては航行中でもスクリューが水を切る音と波の音のみといっていいくらい静かです。居室は下の階にありますが、その中でも研究者の部屋は後ろよりにあるのでとても静かです。実験するにも寝るのにもいい環境でした。


ENDEAVOR、煙突はブリッジのすぐ後ろ船の前から約1/3のところにある


もう一つの特徴は作業甲板が低い!!、作業甲板から海面までが1.2〜1.5mほどしかないのです。作業甲板の下はすぐ海とう感じで、バケツでサンプリングするのは大変楽でした。他のグループが水中の光環境を測定する装置をもってきていましたが、その投入、回収もけっこう楽そうでした。
ただし、様々な作業には楽ですが、ちょっと波が高くなるとすぐに甲板が波で洗われてしまいます。ある夜、航走中にちょっと涼みにと思い、甲板にでたとこ、ろいきなり波が押し寄せてきてあっという間に靴はびしょぬれでした。たいして荒れていたわけではありません。

船員さんは船長のブルースをはじめ12名、そのうち2名が司厨です。船員さんは司厨の2名と甲板長を除いた9名が3班にわかれて3交代で当直をしています。サイズは淡青なみですが船員さんの人数は豊潮なみです。みなさん結構立派なひげを蓄えておら、ひげがないのは主席1航と2航、新人の甲板手、司厨の合計4人。あとの8人は生まれて以来剃ってないのではと思うくらいのひげでした。
船長のブルースは正式には引退された方で、正式の船長は別な方だそうです。しかし、正式な船長さんが休暇の時は、ブルースが乗るようです。他の船員も基本的は1年の内の8〜9ヶ月を船で過ごして残りは休暇をとり、その間は別の船員さんが乗るといったシステムのようです。

CTDや採水器の扱いは技術員のビルがやってくれました。このビル、背丈が2m弱の大男ですが、なかなかソフトで人当たりのいい感じで、歳は聞いていませんが30代中盤といったところでしょうか。CTDの操作、採水器のセットアップやメンテナンス、船に付属の測器、装置のメンテナンスとほぼなんでもこなします。
何せ今回の航海では正式なCTDの回数はなんと118回、出航後のCTDのテストも含めれば130回は越えています。ビルはたいして文句も言わずよく働いていました。しかも今回の航海ではあのGO-Flow採水器12本をリクエストしたようで、出航後の採水器のテストはずいぶん苦労していたようです。すこし手伝いましたが「GO-Flowはやめよーやー」といいたくなりました。




2002年07月18日




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