2002年12月17日
インターネットとホームページからの連想


今日は久しぶりにまじめな話題である。

今回の留学ではこのインターネットとホームページが実によく役立っている。
まず日本にいないのに日本のニュースはほとんどリアルタイムに伝わってくる。各新聞社はそれぞれ自社のHPを開設し、中国新聞ですらHPがある。けっこうマイナーなニュースも読める。
GoogleやYahooといった検索も大変重宝である。今回の留学には理化学事典などの大型の辞書は持ってこなかったが、ネットの検索を使えばおよその内容はわかる。特に試薬の物理的化学的特性は、MSDSとの関係で多くの情報がネット上にころがっている。

個人的な話になると、職場の同僚のH山先生の場合、私的な日記をnet上に公開されているので、彼の最近の生活をかいま見ることもできる。我々の研究室の卒業生のT見君もそこの常連客の一人だが、相変わらず仕事に趣味にがんばってることもわかる。

しかしなんと言っても今回の留学において、最も貴重な情報になったのは、以前ここCape Codにお住まいになっていたまるちゃんのHPである。このHPのおかげで充実したCape Cod生活を送らせてもらっていると言っても過言ではない。余談になるが、このHPにはアラスカやサンタバーバラ(西海岸)の情報も詳しく、このあたりに行かれる方は必見かもしれない。その他、留学するに当たってはいろいろなHPを参考にさせてもらったが、その多くはまるちゃんのリンク内にある。

研究所での物品の購入もWebで自分のクレジットカードを使って発注して、あとから領収書を添えてお金を請求すれば戻ってくるシステムになっている。論文のコピーの請求もNet、駐車場のステッカーの請求もNet、ほとんどの施設の情報はHP上にある。カフェテリアの今日のメニューもNetで見ることができる。
なんでもNetである。

無数の数え切れないHPがあり、そこには限りない情報があるのである。

そしてこのページもホームページなのである。

いつも読んでくださっている方がいると知り、感謝している。
またうちの学生さんのN竹さんからは「怒りの単位変換は衝撃的でした」との感想もいただいた。
作っていて大変うれしい。

しかし、自分のホームページをつくるにあたってはいくらか考えてしまうことがある。
それは自分の特徴あるHPを書くにはかなりの努力がが必要であるということだ。
だらだらと思いつきを書いていたのでは読んでいて大変つまらないだろう。
作るからには楽しんで読んでもらいたいのである。
またもちろん、文章はオリジナルなのだが、内容がどこかで見たような内容になりがちである。こちらに研究留学した人のHPのは必ずと言っていいくらい、アメリカの食べ物の話や、車の取得に関する話題、生活様式の違いなどの話題が出てくる。お互いまねした訳ではないが、感じることや苦労することが同じであるため、できてくるHPの内容も似てくるのだと思う。

オリジナルであればそれでいいのか、おもしろければそれでいいのか、このページはいつまで世に残るのか、誰かの役にたっているのか・・・・・・・・

あるブラームスの解説書で読んだことがあるが、彼は交響曲の作曲にあたっては相当悩んだそうである。交響曲の父と言われたハイドン、41ものすばらしい交響曲を残したモーツアルト、皇帝や運命、そして田園の風景、究極の楽器と言われた人の声まで交響曲にしてしまったベートーベン。彼以前のの作曲家は偉大であった。ブラームスはこれ以上の交響曲を書かなくては交響曲を書く意味はないと考えたそうである。その結果、彼が20代で着手し43にして初めて完成させた交響曲第1番はNo.10とも呼ばれている。(ベートーベンの最後の第9番交響曲に続くものと言う意味)
私も好きな1曲である。1楽章の冒頭は重厚かつまじめ、そして4楽章はまさに感動的である。

研究も同様である。
オリジナルであればそれでいいのか?
だれもやっていないからやったでいいのか?
おもしろければそれでいいのか?
この研究はいつまで世に残るのか?
世に残す必要があるのか?

アメリカの海洋中の光化学の人たちの業績は偉大である。
今も確実に進歩している。
この人たちを追いかけるだけでいいのか?、追いつくのか?
日本ではあまりやっている人がいないからでいいのか?
CO2の発生の後にはなにが来るのか?
そしてZの後には何が、誰が来るのか?

少しはこんなまじめなことも考えながら、ココでの留学生活を送っている。




2002年12月17日




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