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EMアルゴリズムの応用

混合分布の EM アルゴリズムの応用として、Sekita[68] は複数 直線のあてはめに対して EM アルゴリズムを適用した。Akaho[2] は、位置・尺度が変化する任意形状の複数物体を認識するための手法を EM ア ルゴリズムから導いている。また、Ayer et al[6] は画像のシー ケンス中における複数物体の動きパラメータの分布を混合分布でモデル化し、 EM アルゴリズムにより推定された結果に基づいて領域分割を行なっている。

隠れマルコフモデルの応用例として、Bose et al[10] はテキスト 認識のモデルに隠れマルコフモデルを用いている。また、Starner et al[71] は手話(American Sign Language)の認識に隠れマルコフ モデルを用いている。 これらはいずれもあらかじめ分類するクラスの数だけ のモデルを用意し、それぞれのモデルのパラメータを学習データを用いて推定 しておく。新たにテストデータが与えられると、それぞれのモデルに対してそ のデータの尤度を計算し最も値が高くなるモデルのクラスを出力する。 Zhang[85] では画像を隠れ状態を含む MRF でモデル化し、領域分 割への応用を行なっている。

Fan et al[20] は、画像フレーム間の動きパラメータを部分ブロッ クの直交展開として定式化し、そのパラメータ推定問題に対して EM アルゴリ ズムを適用している。なお、混合分布や隠れマルコフモデルの場合は観測でき ない変数が離散値をとる確率変数であったが、Fan et alの扱っている問題で は連続値の確率変数の場合になっている。



平成14年7月19日