next up previous
次へ: 画像ピラミッド上での特徴 上へ: 初期特徴 戻る: 初期特徴

高次局所自己相関関数

自己相関関数は平行移動に関して不変であることが知られている。その高次への拡張 が、高次自己相関関数である[111]。画面内の対象 画像を $f(\mbox{\boldmath$r$})$ とすと、$N$ 次自己相関関数は、変位方向 $(\mbox{\boldmath$a$}_1, \mbox{\boldmath$a$}_2, \ldots , \mbox{\boldmath$a$}_N)$ に対して、

\begin{displaymath}
x^N(\mbox{\boldmath$a$}_1, \mbox{\boldmath$a$}_2, \ldots , ...
...mbox{\boldmath$r$}+\mbox{\boldmath$a$}_N) d\mbox{\boldmath$r$}
\end{displaymath} (348)

で定義される。従って、高次自己相関関数は、次数や変位方向 $(\mbox{\boldmath$a$}_1,\ldots,\mbox{\boldmath$a$}_N)$ の取り方により、無数に考えられる。しかし、画面 に関する加法性の条件を満たすためには、変位方向は参照点 $\mbox{\boldmath$r$}$ の局所領域に 限定されなければならない。

図 8.2: 高次局所自己相関特徴のための局所パターン
\begin{figure}\begin{center}
\psfig{file=mask.eps,width=10cm}\end{center}\end{figure}

ここでは、簡単のため高次自己相関係数の次数 $N$ を、高々 $2$ までとする。また、 変位方向を参照点 $\mbox{\boldmath$r$}$ の周りの局所的な $3 \times 3$ 画素の領域に限定する。 平行移動により等価な特徴を除くと、2値画像に対して、特徴の数は全部で$25$個に なる。図8.2$25$個の局所パターンを示す。各特徴の計算は、局所パ ターンの対応する画素の値の積を全画像に対して足し合わせればよい。例えば、No.2 の局所パターンに対応する特徴は、参照点 $\mbox{\boldmath$r$}$ での濃淡値とそのすぐ右隣の点 での濃淡値との全画像に対する積和を取ることによって計算される。こうして計算さ れた特徴は、明らかに、対象の位置に関して不変でしかも画面に関する加法性を満た す。対象画像が2値の場合には、この計算は局所パターンとのマッチングの頻度を計 算することになり、ハードウェア化も容易になる。2値画像に対する初期特徴の抽出 部分は、ハード化されていて、現在、1秒間に30回の速さで特徴を抽出することが 可能である[161]。



Takio Kurita 平成14年7月3日