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背景のある環境下での計数

図 8.5: 新聞誌上のハートの個数の計測
\begin{figure}\begin{center}
\psfig{file=images/fig-8.5.eps,width=150mm}\end{center}\hspace*{3.5cm} (a) \hspace*{7cm} (b)
\end{figure}

次に、高次局所自己相関特徴の加法性を利用して、背景のある環境下での計数の実験 を行なった。実験は、図8.5のように新聞紙の上のスペードのマークの 個数を推定するものである。同じ大きさのスペードのマークを何枚か用意し、それを 新聞紙の上に適当に置き、その画像をカメラから取込んで入力画像とした。教師信号 はスペードのマークの個数を表す数値とした。ここでも、学習には重回帰分析を用い た。学習のために取込んだ画像は50枚である。

計測結果は、例えば、図8.5 (a) に対しては $y=4.94$、(b) に対しては $y=3.25$ であった。背景の一部の領域がスペードのマークによって隠されるにもか かわらず、比較的よい結果が得られている。ここで、重要なのは、何が背景で何が計 測対象であるかあらかじめシステムに教えた(プログラムした)のではなく、例から システムが自動的に学習し、画面上の個々の対象を切り出すことなく一括して計測し ている点である。これが可能なのは、高次局所自己相関特徴が加法性を持っているた めである。



Takio Kurita 平成14年7月3日