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主観的類似度に適応した画像検索

商標・意匠図形を対象とした画像データベースシステムにおいては、例示画をキーと して類似画を検索できることがヒューマンインターフェースとして基本的かつ重要な 機能である。例えば、ある図形を新たに商標として登録する場合には、類似した図形 が既に商標として登録されているかどうかを調べる必要がある。現在、このような類 似性の判定を含めた検索作業は、専門家が図形に割当てたキーワードと目視検査によ り行なっている。商標として登録したい図形をシステムに例示して類似した図形を検 索できれば、画像データベースシステムを使って判定を自動化できる。

ここでは、例示画をキーとした主観的な類似画検索の手法について考察する。例示画 をキーとした類似画の検索では、システムは例示画から何等かの画像特徴を抽出し、 例示画とデータベース中の画像がどれくらい似ているかを評価する必要がある。その 評価には、各利用者の感じる主観的な画像間の類似度が反映されることが望ましい。 そのために、まず、多変量解析手法を用いて各利用者が主観的に感じる画像間の類似 度を反映する空間(主観特徴空間)を構成し、その空間上で例示画に距離の近い画像 を類似画として検索することを考える。各利用者の主観を表現する方法としては、 (a) サンプル画像集合をグループ分けした場合と (b) サンプル画像間の類似度を数 値で与えた場合を考えた。

また、例示画検索では、図形を例示するときに傾き等によりパターンが変形し、画像 特徴が変動する。このような変動を吸収するためにも多変量解析手法を用いることが できる。

類似画検索の実験により、これらの手法で利用者の主観を反映した類似画検索が可 能であることを示す。



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Takio Kurita 平成14年7月3日