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画像特徴

画像から色彩に関するどのような特徴(画像特徴)を抽出するかによってシステムの性 能が大きく左右されるため、画像特徴の選択は非常に重要な問題である。8章で述べ たように高 次局所自己相関特徴と多変量解析手法を組み合わせることにより、さまざまな画 像の認識や計測が可能である[90,99,100,125,128,135,139,140]。 高次局所自己相関特徴は対象の並行移動に関して不変で、しかも、画面に関する加 法性を持つ。こうした性質は、画像の認識や計測にとって有効に働く。

ここでは、カラー画像に対する1次までの局所自己相関特徴を用いることにする。 今、カラー画像を $\{ \mbox{\boldmath$f$}(i,j) = (r(i,j),g(i,j),b(i,j))^T \vert i
\in I, j \in J \}$ とする。ただし、$r(i,j)$, $g(i,j)$, $b(i,j)$ は、それぞ れ、画素 $(i,j)$ における赤、緑、青成分を表す。

カラー画像に対する$0$次の自己相関は、

\begin{displaymath}
\left( \begin{array}{c}
\bar{r} \\
\bar{g} \\
\bar{b}...
... \frac{1}{IJ} \sum_{i \in I, j \in J} \mbox{\boldmath$f$}(i,j)
\end{displaymath} (417)

で定義される。これらは画像の赤、緑、青成分の平均値である。これにより 3個の特徴が得られる。

$1$次の自己相関特徴は、変移方向を $\mbox{\boldmath$a$} = (a_i,a_j)$ とすると、

\begin{displaymath}
\left( \begin{array}{ccc}
\sigma_{r} & \sigma_{rg} & \sig...
...J} \mbox{\boldmath$f$}(i,j) \mbox{\boldmath$f$}(i+a_i,j+a_j)^T
\end{displaymath} (418)

で定義される。変移方向 $\mbox{\boldmath$a$}$ の取り方により、無数の可能性が考 えられるが、ここでは、簡単のため、それを $3 \times 3$ の局所領域に限定する。 局所領域のシフトにより同じになる変移方向を除くと、可能な変移方向のパターンは、 、中心点を参照点として、図9.6に示す5種類に限定される。各パターンに対して、6個 の独立な特徴が計算されるので、合計 30 個の $1$ 次の局所自己相関特徴が得られる。

図 9.6: 局所自己相関の変位パターン
\begin{figure}\begin{center}
\psfig{file=images/fig-9.6.eps,width=70mm}\end{center}\end{figure}

従って、$0$次と$1$次の特徴を合わせると、各画像から全体として33個の特徴が得ら れる。これを画像特徴 $\mbox{\boldmath$y$}$ とする。



Takio Kurita 平成14年7月3日