本論文は、筆者が通商産業省工業技術院電子技術総合研究所に於いて行ってきた柔ら かな情報処理のための統計的手法の応用に関する研究をまとめたものです。
本研究は電子技術総合研究所の多くの方々の支援のおかげで行うことができました。 特に、田村浩一郎次長、諏訪基情報科学部長、大津展之知能情報部長(元情報数理研 究室長)には、終始多大のご支援とご理解を頂きました。ここに心から感謝いたしま す。
また、梅山伸二情報数理研究室長はじめ、宮川正弘氏(現筑波技術短期大学教授)、 三島健稔氏(現埼玉大学教授)、麻生英樹氏、関田巌氏、田中勝氏、赤穂昭太郎 氏の情報数理研究室の諸氏には、熱心かつ有益なご討論ならびにご協力をいただきま した。ここに記して感謝いたします。
柔らかな情報処理のために統計的手法が重要であることについて筆者の目が開かれた のは、大津展之知能情報部長に負うところが非常に大きいと言わなければなりません。 実際、2章の多変量解析の理論は、大津部長の統計的パターン認識の理論を引き継い で麻生英樹氏と行った共同研究の結果の一部をまとめたものです。また、3章の最大 尤度しきい値選定法、4章の組合せ最適化問題への多変量データ解析手法の応用、8 章の高次局所自己相関特徴に基づく適応的画像計測・認識は、大津部長との共同研究 の結果をまとめたものです。さらに、7章の形の認識・分類は、大津部長のアイデア を関田巌氏との共同研究で発展させたものです。
また、8章のレンジデータの微分幾何学的特徴の計算は、筆者がカナダ国立研究所 (NRC)滞在中に Pierre Boulanger 氏と行った共同研究の成果をまとめたのです。 9章の画像データベースに関する部分は、対話システム研究室の加藤俊一氏と の共同研究の成果の一部をまとめたものです。以上の方々に心から感謝いたします。
最後に、本論文をまとめるにあたっても、筑波大学連携大学院併任教授としての大津
部長に適切なご助言とご指導をいただきました。また、筑波大学電子・情報工学科板
橋秀一教授、同寅市和男教授、同太田友一教授、同平井有三教授には、本論文の完成
に有益なご教示、ご助言をいただきました。ここに、深く感謝の意を表します。