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多変量データ解析手法による大まかな情報の抽出

問題を解くために必要な情報のうち詳細な情報を無視して大まかな情報のみを抽出す ることにより、難しい問題を簡単な問題に帰着させて近似的に解く方法は、難しい問 題を解くための一般的な方策である。日程表作成問題において、関係者の延べ出席日 数を最小にするためには類似した該当ベクトルを持つ項目をなるべく同じ日に割り当 てればよい。従って、類似した該当ベクトルに対してはその差が小さくなるような数 量化を行い、そのスコアによって日割りを決定すればよい。つまり、情報を抽出する ことにより、$N$ 次元の組み合わせ問題を近似的に $1$ 次元の組み合わせ問題に帰 着させて解く。

数量化の方法としては、数量化3類、K-L展開(主成分分析)等が考えられる(例え ば、[40,47,73,120])。数量化3類を適用し た結果を用いてクラスタリングを行う方法は、一般の質的データに対するクラスタリ ング手法として、すでにJambuが提案している[48]。また、K-L展開の結果 を用いたクラスタリング手法は、質的データだけでなく連続データに対しても用いら れるよく知られた手法である。ただし、日程表作成問題に対しては、制約条件 (5.1)を満足するような分割が必要となる。



Takio Kurita 平成14年7月3日