キャンパスの自然

 広島大学のキャンパスは里山を造成して作られました。キャンパスの一部には多様な環境を残した里山的自然が残されています。そこに見られる貴重な生き物たちの姿を紹介します。
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ササユリ(ユリ科)
明るい松林や草原に自生するユリです。やさしい色とふくよかな香りがあり茶花としても利用されています。里山の利用が少なくなり、雑草や低木が繁茂しているため育たなくなりました。
ミミカキグサ(タヌキモ科)
きれいな水がしみ出す湿地に自生します。栄養分が少なく他の植物が育ちにくい場所では色々な食虫植物が見られます。ミミカキグサは地中に作った捕虫嚢でミジンコなどを捕まえます。
ハッチョウトンボ(トンボ科)
ミミカキグサと同じ場所で見かけた日本一小さい赤とんぼです。体の長さが2cm程度のかわいいトンボでオスが縄張りを作っています。
サギソウ(ラン科)
花びらが細かく切れ込み、白鷺が飛び立つ様子に似た花を咲かせます。日当たりがよいやせた湿地に自生しますが、環境の変化や人為的な採取により自生地が少なくなっています。
ナンバンギセル(ハマウツボ科)
夏から秋にかけて、ススキの株元から花茎が伸びて赤紫色の花を1輪咲かせます。キセルの形に似ていますが、キセルを見る機会もなくなりキセル乗車の意味がわかる人が少なくなりました。
ヤマラッキョウ(ユリ科)
日当りがよい湿地に自生し、細長い葉と長さ40cmくらいの花茎を伸ばします。ラッキョウの花より大きく赤紫色で良く目立ちます。
リンドウ(リンドウ科)
やや湿った日当りがよい草原に自生します。代表的な秋の花のひとつですが、県北部の山地に多く低い山では見る機会が少ない種類です。
ゴマダラチョウ(タテハチョウ科)
日本各地の山地に生息するチョウ。幼虫はオオムラサキと同じエノキの葉を食べる。冬は幼虫が木から下りて落ち葉の下で過ごす。樹木園のエノキではオオムラサキは見つからない(12/26樹木園)