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手術ロボットda Vinciによる内視鏡手術

<人の手では不可能な微細な動きと手ぶれ防止機能、関節機能による極めて高い正確性と安全性がこれまでの腹腔鏡手術を変えました。 >

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           (Intuitive社 公式ビデオから引用)


 da Vinciによる内視鏡手術とは、執刀医の手先の動きを忠実に再現する装置(ロボット)を用いて行う手術です。カメラ、メス、鉗子(かんし;モノをつかんだり牽引したりする器具)を取り付ける4本のアームとコンソールボックスから構成され、執刀医がコンソールボックスで行う操作を手術台に設置したロボットアームが忠実に再現します(上記ビデオ参照)。

<ロボット手術は何が優れているのか >

1. 鮮明な立体画像

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                da Vinciのカメラ

 手術ロボットda Vinciのカメラは内筒に左右2本の高解像度レンズが組み込まれています。このため遠近感のある鮮明な画像が得られ、まるで患者さんの体内に直接、両目を入れてのぞく感覚です。しかも肉眼では見えない細かな神経や血管を10倍の拡大視野で観察できます。

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              通常の腹腔鏡のカメラ

 一方、通常の腹腔鏡は1本の標準レンズです。これは片方の目に眼帯をあてて手術をするようなものです。このため遠近感のない平面画像であり高解像度でないため、da Vinciほどの鮮明さは得られません。

2. 鉗子やハサミの関節機能

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     da Vinciの鉗子(Intuitive社 公式ビデオから引用)

 手術ロボットda Vinciの鉗子やハサミには関節機能があります。このため鉗子やハサミの先端を自由に曲げることができます。これは人の手と全く同じ動きです。

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              通常の腹腔鏡鉗子

 一方、通常の腹腔鏡鉗子は回転はできても先端を曲げることはできません。これは手関節を曲げないように手関節に硬い腕輪をはめて手術をしているようなものです。

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        da Vinci              通常の腹腔鏡

 da Vinciの持つ遠近感のある鮮明な立体画像と関節機能がどんなに優れているかを理解するためda Vinciの手術と通常の腹腔鏡手術を比較しましょう。前立腺の前にある血管(静脈)に針糸を通して血管をしばる操作です。da Vinci手術では遠近感があるために針をつかみやすく、関節機能のお陰で結紮(しばる)操作がなめらかなのに対して、通常の腹腔鏡手術では遠近感がないため針をつかみにくく、関節機能がないため結紮操作がぎこちないのがわかります。

3. タイムラグのない直感操作

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  コンソールボックスからの操作(Intuitive社 公式ビデオから引用)

 da Vinciの操作はすべて直感的に行えます。タイムラグもありません。これはまるで自分の両手が患者さんの体内に入って操作しているかのような感覚です。

4. 手ぶれ防止機能
 da Vinciには手ぶれ防止機能がついています。手の震えが吸収されて先端がぶれないため手元の狂いがありません。血管など重要な組織を手ぶれのために傷つける心配がないのです。執刀医が1ミリ切開すればアームは正確に1ミリ切開するため1ミリ以下の微細な切開もきわめて正確です。

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これは金沢大学循環器外科石川先生の作品です。
(http://www.youtube.com/watch?v=x9Bjs99A0k0&feature=player_detailpage)
先端がぶれず微細で正確な動きのため細かな作業ができることがわかります。

5. 優れた人間工学
 da Vinciは座って手足だけの操作で手術が可能です。このため術者の疲労が少なく、最後まで集中力を保つことができるため、より完全な手術につながります。

<ロボット手術はどの領域で行われているのか >

 ロボット手術は泌尿器科領域とくに前立腺がんの手術に多く用いられています。

prostate

前立腺は骨盤の一番奥深く狭い空間に位置し周囲には尿道括約筋(尿失禁を防ぐ筋肉)をはじめ勃起に必要な神経や血管が密集しているため周囲組織を傷つけず小出血で前立腺を摘出するのは至難の業です。このため開腹での前立腺全摘除は出血量が多く勃起神経を切れば勃起障害が、尿道括約筋を損傷すれば尿失禁は避けられません。ロボット手術は既述のように優れた機能を持つため、深いところでの糸結び、縫合が容易かつ確実で、縫合不全の予防や手術時間の短縮に大きく貢献します。ロボットは微細な手術操作を少ない出血量でこなすため小さい傷で痛みが少なく尿失禁や勃起障害などの合併症も軽減できるのです。このため米国ではすでに前立腺がん手術の80%はロボットで行われています。

approach

 広島大学病院では2010年3月に中四国地方で初めてダヴィンチS-HDを導入し、前立腺がんをはじめ腎細胞がんや膀胱がんの手術を行っています。なお、前立腺がんの手術は2012年4月から保険適応となり、個人負担が通常の手術と同じになりました。

ralp