会陰式前立腺全摘除術
<痛みや出血、尿失禁が少なく体に負担が少ない手術です、>
前立腺がんの手術の中で腹腔鏡とならんで体に優しいのが会陰式(会陰とよばれる肛門のすぐ前の部分を小さく切開)手術です。会陰からだと前立腺までは距離が短く浅いため、小さな傷口で手術ができるので痛みが少なくてすみ、手術後は傷がほとんど目立ちません(下図)。米国では入院することなく日帰り手術が行われているほどです。普通の開腹(恥骨後式)と会陰式を受けた男性約200名に手術前後で痛みの強さを点数でつけてもらったところ、会陰式では恥骨後式に比べて術後の痛みの増強が軽いことがわかりました(下図)。会陰式は根治性の面では恥骨後式とまったく同じで、その上、出血がとても少なく(輸血の頻度は1/100人未満)、尿道括約筋への影響が少ないために手術治療のもっとも大きな問題点である尿失禁からの回復が速いのも特徴です。



<会陰式のできる施設は限られています>
広島大学病院泌尿器科では1995年から会陰式手術を開始、ご遺体をもちいて詳細に研究するとともに本術式のトップランナーである米国医師に技術を学び、独自の方法を完成させました。最近は、勃起に必要な神経に傷を付けず、勃起力を温存する手術法も積極的に行い、すでに200人以上の男性がこの手術をお受けになっています。この手術のできる施設は世界的にもわずかのため、さまざまな施設の泌尿器科医がこの手術法を見学にこられました。
