筋原線維と筋小胞体
筋小胞体 (sarcoplasmic reticulum; SR) は袋状膜構造をなし,筋原線維を取り囲むように発達している器官である.通常,カルシウムはこのSRの中に貯蔵されており,SR以外の部位のカルシウム濃度は低く保たれており,この状態では,筋原線維の収縮は起こらない.神経からのインパルスが到達すると,SRにあるカルシウムシャネルが開口する.すると,貯蔵されていたカルシウムが放出され,それによって筋細胞内のカルシウム濃度が高まるため,筋原線維の収縮が起こる.SRによるカルシウムの回収は,SRの膜に存在するSR Ca2+-ATPaseの働きによって行われる.