共通施設

電子顕微鏡

電子顕微鏡は、理学部D棟1階にあり、分解能6nm、倍率5から10万倍の性能をもつ走査型電子顕微鏡(日本電子、JSM-25S)と、倍率50から100万倍の性能をもつ透過型電子顕微鏡(日本電子、JSX-1200EX)が設置されている。また、試料作成のための臨界点乾燥装置、イオンスパッター、超薄切片作成のための電動式ウルトラミクロトーム(LKB-2188-Nova)、真空蒸着装置(日本電子、JEE-4X)、冷却水節約のための循環式冷却装置等、周辺装置も充実している。

現在までに、走査型電顕を用いて、植物表皮細胞の表層構造が、その発生過程においてどのように変化するか、表層構造の相違に基づくコケ植物の系統分類学的位置づけ、粘菌の微細構造が生活史の各ステージにおいてどのように変化するか、などの問題が、また、透過型電顕を用いて、細胞の周期にともなって、原生動物や高等動物培養細胞の細胞骨格構造がどのように変動するか、免疫電顕観察法、オートラジオグラフィー法を用いて、種々のホルモンやその受容体の細胞内局在を同定する、地衣類やミドリゾウリムシにおける共生藻の微細構造の多様性、といった問題が明らかにされてきた。

細胞の構造とその機能の間には密接な関係があることは、よく知られている。免疫電顕法、凍結割断法など新しい観察技術の開発とあいまって、電子顕微鏡の必要性は、今後益々高まるものと期待される。なお、共焦点レーザー顕微鏡(カールツァイス、LSM 410)も、この電子顕微鏡室に設置されており、現在、複数の研究室で活発に利用されている。

細胞情報機能解析システム

管理室 A413 電話内線 7455 月-木 10:00〜16:00

現代生命科学の目標の一つは細胞の全情報の収集と解析にある。それには、これまでの方法に比べて高速・大容量処理及び高精度化された解析技術と装置が必要不可欠である。更に、得られた情報を効果的に利用するためにはデータの統合化とデータベース化が必須となる。この目的のために、「細胞情報機能解析システム」を平成二年に大学院最先端設備費により大型の汎用生物情報解析装置と汎用スーパーミニコンピュータとをLANで連結した独自のシステムを構築した。このシステムは5つの主要装置から成っている。

DNAシークエンサー(DNAの塩基配列をその末端から自動的に決める装置) プロテインシークエンサー(蛋白質のアミノ酸配列をその末端から自動的に決める装置) フローサイトメーター(細胞や細胞内小器官等を解析、認識して自動的に分別分取する装置) 画像解析装置(イメージデータを高精度に定量解析する装置) 汎用スーパーミニコンピュータ(システム全体の課金・予約管理、LANのサーバー、データベース用の汎用計算機) 運用課金管理ソフトを独自に開発し、このような先端機器LANシステムを構築したのは世界的にもこれが最初のものであり、その詳細な技術的内容については蛋白質・核酸・酵素臨時創刊号vol.39、(1994)を参照されたい。

本年度から事務補佐員を置くことができなくなったので、セルフサービスを徹底 する必要が生じている。このシステムの使用方法については大学院の先端機器利用学 概論で講じられているが、そのテキスト「バイオ先端機器への招待」(CD-ROM)ブックが発刊された。

Bio-information Analyzing system (BIAS) is available for scientists outside and inside the Department, and is well equipped with a variety of modern facilities including a DNA sequencer, a protein sequencer, a flow cytometer, an image analyzing system and a super-minicomputer. These instruments are connected through LAN so that they can exchange data and information each other.

植物用人工気象室

理学部D棟D112号室に設置された日本医科器械製作所製NC型人工気象室であり、ランプ中央灯下1mで30,000luxの照明装置を備えている。

この装置はイネ・シロイヌナズナ・タバコ・コケなど植物一般を管理された栽培条件下で栽培するための装置として導入された。温度20~40℃、湿度50~90%の範囲内で、ステッププログラム制御が可能である。

バイオ解析装置

この装置は大学院の演習用に導入されたシステムで、理学部D棟D112号室に設置されている。このシステムはタンパク質資料を電気泳動で分離しながら、目的の画分を効率的に分取するためのもので、以下の装置から成り立っている。

1.分取電気泳動装置 Atto社製 Nativen L system

2.カラムクロマト装置 Atto社製 バイオクロマトグラフ II

3.超低温フリーザー

4.バイオメディカルフリーザー

レーザーマイクロダイセクション

レーザーマイクロダイセクション装置は、理学部D棟D115号室にあり、カールツァイス社製倒立型顕微鏡と、カールツァイス社製レーザーマイクロダイセクション装置から成り立っている。

この装置はレーザー照射により顕微鏡下で組織から細胞内の微小な標的部位(最小1μmの領域)までを迅速かつ高精度で切り取り、その切除部位を回収し、特定の細胞から遺伝子解析を効率良く行う有効な手法として現在広く使用されている。また、タンパク質の回収にも利用され始めている。

動物飼育施設

生物科学専攻の動物飼育関連施設には動物飼育室、水生動物飼育恒温槽、屋外飼育池があり、いずれも研究棟A棟南側に置かれている。動物飼育室は、内部が、淡水動物室、海水動物室、哺乳動物室、及び準備室の5つのコンパートメントに区切られている。現在、主としてアメフラシ、ウニ、クラゲ等の海産動物、ラット、マウス、ウサギ等が飼育されている。最近、哺乳動物室に自動水洗装置が付いたラット飼育棚が4台、設置され、より清潔な環境で小型齧歯類の飼育が可能となった。動物飼育室に隣接する水生動物飼育恒温槽では、より厳重な飼育環境の管理を要する近交系動物等が飼育されている。さらに、屋外飼育池は、コイなどの大型魚用の池が4基、小型魚用の池が18基設置されている。

植物温室・圃場(通称植物園)

技官: 塩路 恒生 技能補佐員: 植木 博秀

植物園の動き

平成6年度に樹木園の排水工事を完了し,植物の植え付けが再開されたが,依然として土壌条件が悪く,雑草も繁らず,樹木を移植しても枯れるものが多かった。そこで,学内の除草作業により多量に搬出される草を使って堆肥を作り,堆肥による土壌改良を試みた。その結果,堆肥を埋めたところではようやく雑草が繁るようになり,樹木の移植も可能になってきた。現在では,ツツジ類とカエデ類を集めた植物園を目指して植物の植え付けを行っている。山中谷川両岸にある生態実験園の整備が進み,里山的原風景の復元が行われている。松枯れはまだ続いており,立枯木の伐倒除去を行った。平成7年8月に,原田学長を通じてギンレイカメラ店から百二十鉢のサボテンの寄贈があり,温室の一つをサボテンコ−ナ−として整備している。学内科研により,放射光科学研究センタ−の建設予定地に生育していたツツジ類を圃場に移植して,学内の緑化に役立てることを試みた。

研究内容

植物園は植物管理室,温室,実験圃場および樹木園からなり,実験用植物と教材植物の栽培育成が為されている。植物園では生物科学科の分類・生態学講座,機能生化学講座及び細胞構築学講座と遺伝子科学専攻の分子形質発現講座の研究が行われており,また,学生実習などの教育が行われている。植物園は教育・研究の場であると同時に,広島大学のアカデミックな景観的シンボルでもあるので,植物園の周辺部を含めた植生管理と環境整備に当たっている。現在,植物園に隣接する水田跡に湿地を形成中であり,ハナショウブ園やトンボの飛ぶ湿地などを作り,西条盆地の特徴である溜池と湿原の植物を集めた生態実験園を整備している。また,植物の育成には環境条件の把握が重要であり,簡単な気象観測も行っている。


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