広島大学産学連携センター知的財産部門
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知的財産権Q&A50

Q41  特許を維持するためには、何をすべきですか?

 特許を維持するためには、特許料(維持年金)を毎年払わなければなりません。すなわち、特許庁に対して、各年度ごとにその手数料(特許料)を支払う必要があるのです。
 数年度分をまとめて支払うこともできますが、特許査定の後については、査定から30日以内に、1年度から3年度の特許料をまとめて支払わなければなりません。(→《Q40》を参照)
 ちなみに、4年目以降の特許料は、とくに「年金」と呼ばれることもあります。そして、その年金の額は、請求項の数に依存するので、注意が必要です。

【参考】〔請求項の数に依存する特許料〕
第1年から第3年まで毎年 2,600円に1請求項につき200円を加えた額
第4年から第6年まで毎年 8,100円に1請求項につき600円を加えた額
第7年から第9年まで毎年 24,300円に1請求項につき1,900円を加えた額
第10年から第25年まで毎年 81,200円に1請求項につき6,400円を加えた額
※(昭和63年1月1日以降の出願のもので、平成16年4月1日以降に審査請求を行なう場合)
 上記から、請求項が10個ある場合、当初の3年分の設定登録料は、13,800円となることがわかります。
        

Q42  他人の特許を無効にしたい場合、どういう手段がありますか?

 他人の特許が無効と思われるときには、特許庁に対して、その特許権の無効処分を求める請求、すなわち「特許無効審判請求」という手段をとります。
 これは、自分の特許に基づく業務が、他人の無効と思われる特許によって、警告されたりする場合などに取られる手段です。
 例えば、ベンチャー企業を興したとき、他人からその保有する特許権を侵害していると警告を受ける場合があります。
 この場合、まず、その他人の特許権が本当に有効であるかどうかを調べ、もし無効であると思われたときには、既述のように特許庁に対して、その特許を無効に処すための手続きを取ることができるのです。

【参考】〔他人から特許権を侵害していると警告を受けた際の対応(手順)〕
  1. まず、他人の権利が有効に存続しているのかを調べる。
    (存続していなければ、侵害警告そのものが無効である)
  2. 存続していれば、警告人が本当の権利者か否かを調べる。
  3. 本当の権利者であれば、その特許の技術範囲(発明の範囲)を調べる。
    (その技術範囲に入っていなければ問題はない)
  4. 入っていれば、当方の業務が特許権の効力の及ばない範囲に入るか否かを調べる。
※ これらの調査には、高度な専門的知識が求められるため、弁理士に相談のこと。


Q43  自分の特許に対して、「無効」という審決が出された場合、どういう手段がありますか?

 他人から特許が無効と訴えられ、特許庁に特許無効の審判が請求されることがあります。
 例えば、当方が特許権を有していて、特許料の支払いを求めたら、相手方が、特許無効の審判を請求した、というようなケースです。
 相手方は証拠を準備し、それらに基づいて、無効理由(拒絶理由とほぼ同じ)により、特許が無効であることを主張します。
当方は「そのような証拠は証拠能力がない」、あるいは「それらの証拠では不十分である」などとして、争うこととなります。
また、相手方が提出した証拠が妥当であると判断されるときには、訂正請求、あるいは訂正審判により、特許発明の特許請求の範囲の訂正を行います。
 拒絶査定不服審判の場合は、特許出願人と特許庁との間での審判(査定系審判という)でした。それに対して、特許無効の審判では、当方と相手方の間での審判で、審判官は言ってみれば行司役をこなすことになります。
 もし、特許が「無効」という審決が出された場合でも、その特許無効の決定は違法であるとして、その審決を取り消すための「審決取消訴訟」を提起する方法があります。


Q44  他人が自分の特許権を侵害している場合、その救済措置にはどんなものがありますか?

特許権が他人により侵害されていると判明した場合、民事上、刑事上の救済があります。特許権者は、差し止め請求や損害賠償請求などを、特許権侵害者に求めることができます。

【他人が特許の権利を侵害している場合の救済措置】
  1. 損害賠償請求
  2. 差し止め請求
  3. 輸入禁止
  4. 廃棄命令

Q45  「不正競争防止法」が目的としているのは、どんなことですか?

 「不正競争防止法」の目的は、「国民経済の健全な発展に寄与すること」にあります。

【参考】(第一条には、次の条文が示されています)
 「この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」
                  

Q46  著作権で、アイデアは保護できますか?

 著作権では、アイデアの表現は保護できますが、アイデアの内容まで保護することはできません。アイデアは、それが表現されたことで、はじめて保護を受ける著作物となるからです。
 では、表現したものであれば、何でも著作権としての保護を受けられるのか、といいますと、そういうことにもなりません。
 表現したものに、作者の創作性がなければ、保護の対象とはならないのです。
 では、著作権は、ネーミングを保護するでしょうか?
 答えは、「著作権は、ネーミングを保護しない」です。もちろん、文字の表現方法については保護します。

Q47  「著作権」が保護する対象は何ですか?

 簡単に言うと、「文芸・学術・美術・音楽の創作の保護」ということになります。著作権とは、こうした著作物の利用に関する財産的権利なのです。
 そして、著作権は、著作者に無断で使用してはならないという、人権としての権利でもあるのです。
 また、著作権は、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生するところに特徴があります。(著作権法第51条)

【要点】〔著作物とは?〕
 著作権法第2条でいう「著作物」とは、「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲に属するものをいう」と規定されています。
 そこから、この権利は単に文芸的なものに限らず、もっと広い範囲で「学術と芸術全体に関する創作」を保護するものであるとされています。

【参考】〔著作権料とは?〕
 著作権料は、著作権という「財産権」を利用して得た代価のこと。

〔著作権侵害とは?〕
 著作権侵害とは、著作者の許諾を得ないで、勝手に著作物を利用すること。

              
 

Q48  「著作者人格権」には3種類の権利がありますが、それは何ですか?

 「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」の3つです。
 著作者人格権とは、著作者が自分の著作物に対して有する「人格的・精神的利益を保護する権利」なのです。

【参考】〔著作者人格権の種類〕

公表権: 自分の著作物を公表してよいかどうか、いつ公表するか、またどのように公表するか、といったことを決める権利のこと。

氏名表示権: 自分が著作物の著作者であることを主張し、その著作名をどのようにするか(本名にするか、ペンネームにするか)、あるいは無名にするか、などを決める権利のこと。

同一性保持権: 自分の著作物を第三者が無断で改変したり(中身の一部を変更したり)、本などではタイトルを変えたりすることを禁止した権利のこと。


ワンポイント・クエスチョン】
Q: 著作権、著作者人格権を侵害する者、または侵害する恐れのある者に対
    しては、どんな措置がありますか?
A: 「侵害の差止・予防を請求できる」(法112条)


Q49  複製権、頒布権とは、どんな権利ですか?

 複製権とは、著作物を複製、再製する権利のことです。
具体的には、印刷、写真、複写、録音、録画などの方法で著作物を再製する権利です。
 頒布権とは、著作物をその複製物により頒布する権利のことです。
 頒布とは、その複製物を公衆に対して、売ったり、譲ったり、あるいは(有償・無償を問わず)貸したりすることをいいます。


Q50  著作権、特許権、また商標権が、それぞれ保護する対象は何ですか?

 著作権は、文化的な創造物を保護の対象とし、特許権は、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの、すなわち発明を保護の対象としています。また、商標権は、商品またはサービス業務につけられた識別標識を保護の対象としています。
《保護の対象とするもの》
   【著作権】  文化的な創造物(文芸・学術・美術・音楽の創作など)
   【特許権】  発明(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの)
   【商標権】  商品またはサービス業務につけられた識別標識(マーク)

     
                    

〔参考文献・ホームページ〕
【参考文献】
「知って得する著作権 知らなきゃ損する著作権」 富樫康明著(にじゅういち出版)
「知的財産錬金術とネーミング」 矢間治茂・小梶高一著(鳥影社)
「知的所有権〔第3版〕」 小野昌延著(有斐閣)

【参考ホームページ】
「特許庁ホームページ」 http://www.jpo.go.jp/indexj.htm


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