『大学における営業秘密管理指針作成のためのガイドライン』
(平成16年4月 経済産業省 知的財産政策室 大学連携推進課)について
本学においてはすでに知的財産ポリシーのX.教職員や学生等の守秘義務において、また職務発明規則の第15条(重要ノウハウの管理)及び第23条(守秘義務)において、首記については一応の基準を規定しています。営業秘密は特許でカバーされないが、有用な技術情報として本学に多く存在しています。営業秘密は特許と合わせて、または単独でライセンスできる価値あるものと認識する必要があります。また、下記にありますようにコンタミネーションが思わぬトラブルを招くこともありますので、営業秘密の意識的管理が必要です。
本ガイドラインは発明の機関帰属の当然の帰結として、民間企業で行われている慣行に依拠しており、その指針に何等の異議を唱えるものではありませんが、本ガイドラインに忠実に従うには、本学の教職員の一層の意識改革が先行しなければなりません。ここでは本ガイドランの基本的部分を抜粋し、営業秘密管理の注意を喚起するに止めます。
(以下抜粋)
「営業秘密」は、大学が独自に行う教育研究や研究成果の普及といった一連の活動によって創出された情報であって、秘密管理性、有用性、非公知性の3点全てを満たすものをいう。
営業秘密は、秘密であることが認識可能であること、秘密情報へのアクセスを制限していることの二つが満たされる秘密管理性の必要があるとされている。具体的には、たとえば、営業秘密を記録した書面にマル秘の判子を押した(認識可能性)うえで、金庫にしまう等、特定の者(=必要な者)以外はアクセスできないようにする(アクセス制限)こと等が考えられる。
秘密情報を保管する場所のセキュリティについては、通常、管理の対象となる秘密情報の価値に応じてレベル差を設ける。原則として、情報の機密区分に従って開示対象以外の者がその秘密情報に物理的に触れることのないように配慮する。具体的には、施錠管理が挙げられる。
産学連携を推進するうえで、企業と大学(教職員が契約者になる場合も同じ。)との間で、営業秘密を扱う機会が増加する。その際、企業が大学に対して企業の営業秘密を開示する場合もあれば、大学が企業に対して大学の営業秘密を開示する場合もある。また、共同研究等の場合は、両者が協力して一定の営業秘密を新たに生み出す場合もある。このような状況を前提とした場合に、秘密管理を実践するうえで重要なのは、予め、企業と大学との間で秘密管理のあり方について共通理解を有しておくことである。企業と大学では、その究極目的とするところが違う以上、双方で秘密管理の程度や範囲、対象について理解が異なることは当然である。しかし、企業と大学との間でやりとりされる営業秘密について、相手側の秘密管理の対応に関する十分な理解が得られていない場合、両者間で無用のトラブルを招いてしまうことが想定される。したがって、産学連携を進める際は、「営業秘密」として管理すべき情報の範囲は勿論、その具体的な管理の方法について、大学と企業との間で予め合意しておくことが重要である。また、その際には、どういった分野の研究をするのか、企業から提供を受ける(企業に提供する)のは情報だけか、設備や試料等も含むのか、さらには研究員の交流や派遣はあるのか等の要素を考慮するとともに、成果の帰属、またその取扱い(特許出願の有無や取得された特許の維持・管理の分担、発表の有無や発表名義・内容等)についても議論し理解を得たうえで、後に述べるように契約書の形で理解内容を確認しておくことが望ましい。また、企業と秘密保持契約を締結している部門外で、全く同じ発明等が独自に創出された場合、それがコンタミネーション(情報混入)によるものではないかと、企業側から嫌疑をかけられ、トラブルを招く可能性もある。そのようなケースに対処するためには、営業秘密をどの範囲(部門)で管理するか(場合によっては、コンタミネーションが発生しない管理方法であることを、企業との立ち会いで確認させる等により)を契約時に確定しておく必要がある。このようなトラブルを避けるためにも、企業との共同研究についても、研究ノート(本学ではラボノートとして教職員に配布済 筆者註)を積極的に導入すること等により、成果の創出された日時や発明者等を明確にしておくことを習慣づけるべきである。
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