広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2004年度 第2回
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2004年5月6日(木7・8時限,B102)
発表者:間瀬忍(インド哲学,M2)
発表題目:Paribha@s@a@50が解釈規則として正当である根拠について
配付資料:A4(7面)
プロトコル:川尻洋平(インド哲学,D2)

1.発表要旨

 今回の発表ではナーゲーシャバッタ作Paribha@s@enduc@ekharaのparibha@s@a@(解 釈規則)50として規定されている“asiddham@ bahirag@gam antarag@ge”(「根拠を 外側にもつ規則は,根拠を内側にもつ規則があるとき存在しない,あるいは効力を生 じない」)という解釈規則が解釈規則として正当である根拠について述べられた.  解釈規則の正当性の根拠は大きく次の三種類に分けられる.すなわち,知らしめる もの(jj@a@paka)によるもの(jj@a@pakasiddha)と理にかなっていることによるも の(nya@yasiddha)と独立した言明によるもの(va@caniki@)である.  この中で“asiddham@ bahirag@gam antarag@ge”という解釈規則の根拠 はP.6.4.132 va@ha u@t@hのu@t@hという語をjj@a@pakaとするjj@a@pakasiddhaである といえる.jj@a@pakasiddhaとは,「知らしめるもの」という意味であるjj@a@pakaに よって,Pa@n@iniが文法規則を作ったときに,その解釈規則が存在し,その内容が有 効なものであることを意図していたことが示される解釈規則を示している.すなわち, ある根拠(jj@a@paka)によってパーニニがその解釈規則の存在を意図していること が理解されるとき,解釈規則の正当性はjj@a@pakaによって示されるのである.  この解釈規則は,世の中の道理にかなっていることによっても正当化されうるが, これは今後の課題である.

2.質疑応答

[問] パリバーシャー(paribhasa)50の正当性が問題になるのは,異論があるから か?
[答] すべてのパリバーシャーは,その正当性が問題になる.

[問] 解釈規則・正しい語形は,サンスクリットに関わるものか?
[答] はい,サンスクリットでは正しい語形を派生するために解釈規則が要請される. 後世の文法家は正しい語形を派生するために必要な解釈を集めた.

[問] なぜ「語の派生」というものが必要とされるのか.新しい語を作るために必要 なのか.
[答] 今ある語を如何に説明するかという意味で必要とされる.

[問] サンスクリットには例外はあるのか.
[答] あります.しかし,まちがって派生しないように規定されています




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