広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2007年5月11日(金9・10時限,B253)
発表者:加藤良太(西洋哲学,B2)
発表題目:「パースの関係項の論理学に先立って」
配付資料:A3用紙2枚(片面)
プロトコル:住田賢(西洋哲学,B4)


1.発表要旨
パースは形而上学の推論に記号を用いて厳密性を与えようとした。そしてパースは関係項の論理学を提唱する。その関係項の論理学に先立つ「三肢構造」についての発表。その構造は三つのカテゴリーからなる。その詳論を見る。

 第一性は直接的な経験とされる。それはフィーリングによってのみ感じられるもの。第二性はいまここの現実的事実である。また「第一性の偶然的な付帯的要因である」とされる。第三性は「主体的に生来具わった変容の理由」と定義される。媒介・中間性を持つ。

この三肢構造はパースの哲学体系の基礎となるものである。

2.質疑応答
[問]プラグマティシズムとプラグマティズムの違いとは何か.

[答]後進のプラグマティストに対してプラグマティシズムを提唱したパースからすると,プラグマティシズムは実践可能なことを対象とし,プラグマティズムは実践不可能なことも対象とする.

[問]「感じ」とは何か.

[答] 五感で感じられるものではない.あえて言うならば第六感のようなものだが,言葉では表現しにくいものである.

[問]科学法則が重要視されるのはなぜか.

[答]科学は方向性として真に向かっているからである.ただし,「実際的結果」であるのでそれが真に至ったのかどうかは判断できない.

[問]偶然的付帯要因とは何か.

[答]第二性を誘発する第一性の性質のことである.

[問]三肢構造は全ての事象に適応できるのか.

[答]科学的事象にしか適応できない.

[問]「外と接触するのみ」という表現の意味は何か.

[答]主観を入れず,客観的に認識するという意味である.

[問]従来の形而上学とはどのようなものか.

[答]パースに依れば,実験不可能な事柄を対象とした客観的でない学問のことである.

[問]第二性の「関係性」は因果関係によってその理由が求められないのか.

[答]第二性の段階では無理である.

[問]関係性は主観の中にカテゴリーとしてあるのか,二つの関係項の間に独立してあるのか.

[答]現段階では分からない.

[意見]厳密性と客観性を同一視してはいけないのでないか.

[意見]具体例を自分で挙げることは避けたほうがよい.



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