広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2011年度(前期) 第07回a
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2011年06月24日(金9・10時限,B201)
発表者:峰山元太朗(西洋哲学,B4)
発表題目:エピクロスの先取概念による真理の理解のされ方
配付資料:A4原稿4枚
プロトコル:小川貴信(西洋哲学, B4), 堀尾俊介(西洋哲学, B4)

1.発表要旨

 エピクロスの先取概念(プロレープシス)による真理の理解のされ方について, エピクロ スのテキストの訳文を手がかりにし, 先取概念とはどのような基準として使用されるのか 考察した. エピクロスには基準論、自然学, 倫理学の3つの学問があり, その中の基準論 では3つの感情, 感覚, 先取概念に加えて精神の表象的な把握によって真理の基準として いるとされている. 先取概念ついて述べられたキケロの『神々の本性について』のテキス トでは, 先取概念は事物について心の中であらかじめ形成されているある種の概念である もので, それなしには何かを理解し, 探究し, 議論したりできないもののことである. ま た、エピクロスのテキストの訳文の先取概念が書かれてある『メノイケウス宛の手紙』, 『主要教説』, 『ヘロドトス宛の手紙』では, 神, 法律, 時間についての先取概念を述 べ, これらから先取概念は事物の具体的概念より抽象的概念であり, 属性(時間は属性) とは違った本性に関していわれている.


2.質疑応答

[問]先取概念というのは,もともと教わることなしに取り入れられているようなものなの か?

[答]生まれながらにもっている,というよりも,他の概念や観念のもととなるような概念 のことである.

[問]「別の哲学者の引用」とあるが,具体的に誰を挙げる予定か?

[答]デモクリトスやディオゲネス・ラエルティウス,ルクレティウスを挙げる予定である.

[問]感覚以外で直覚的事実を捉えられるか?

[答]感覚のほかに,感情でも捉えられる.

[問]先取概念(prolepsis)はイデア論との関連はあるか?

[答]あると思われる.

[問]目の錯覚についてエピクロスはどう考えているか?

[答]真である,と考えている.

[問]「利益があることが正しいことである」と考えるのは,法律においてだけか,あるい は一般的にもそうであるのか?

[答]法律においてだけである.

[問]かき乱されないこと(ataraksia)とはどういうことか?

[答]心の平穏状態のことであり,また,目的としてではなく行動の指針としてあるもので ある.

[問]エピクロス派の人々はエピクロスの三つの真理の基準に加えて精神の表象的な把握も 挙げているが,エピクロスもこれを認めているか?

[答]はい.



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