広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2007年度(前期) 第11回
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2007年7月6日(金9・10時限,B253)
発表者:坂田留亜(インド哲学,B4)
発表題目:ヨーガ学派について−ヨーガとは何か−
配付資料:A3原稿4枚(片面)
プロトコル:杉本桂子(インド哲学,M1)

1. 発表要旨

近年日本では「ヨガ」がよく知られるようになったが,その元となる ヨーガ学派の哲学,また本来の「ヨーガ」とはいかなるものか.本発表 ではそれらについて考察する.

〈ヨーガについて〉
ヨーガの宗教的意義は,解脱に至るための修行であるという点である. 哲学的意義は,自我の本質を捉えるための直感的認識力の養成であると いう点である.最後に実際的意義は,インドという熱帯の国土がら国民 は活動より静止を好み,瞑想沈思が高尚で清らかな精神的修養法と見な されたという点である.ヨーガの起源はリグ・ヴェーダ終期に盛んに なったタパス,すなわち苦行法に見ることができる.

〈Yogasutraについて〉
ヨーガ学派の根本聖典Yogasutraはパタンジャリによって組織立 てられ,2世紀から6世紀頃に成立したとされている.

Yogasutraの哲学はサーンキヤ学派のものとほぼ同じである.サーンキ ヤ学派と異なるところは,サーンキヤ学派が無神論であるのに対して, ヨーガ学派はある意味において人格神をたてる点である.しかしその神 は世界の創造主や各純粋精神の統一体や本源といったものではない. ヨーガ学派における神は,それを念じることで修行を促進するといった 意義のものである.そして心理説に関してサーンキヤ学派と少し異なる.


2. 質疑応答

[問]タパスとヨーガの違いは?

[答]両者は反目しているわけではなく,同じようなものといえるので はないか.

[問]人格神を立てる必要性はどこにあるのか.またその意味は?

[答]何か目標を置いて集中することで,三昧を得やすくなる.人格神 には集中の対象としての意義がある.

[問]純粋精神と根本原質とは何か.

[答]サーンキヤの二元論で説かれるものである.本来は別個である が,結びつくことで世界が展開する.別個であるということが理解され たとき,解脱が達成される.

[提案]ヨーガは汎インド的であるので,起源が重要である.




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