広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2004年度 第13回
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2004年7月22日(木7・8時限,B102)
発表者:野間恵梨子(インド哲学,M2)
発表題目:インド占星術
配付資料:A3原稿2枚
プロトコル:土肥晴美(インド哲学,B4)

1.発表要旨

 インドは世界でもっとも占星術が盛んな国と言われている. 占星術は, 数千年の昔 から現在に至るまで, 廃れること無くインド国民の生活に根ざしてきた.
 インド占星術は歴史的に見て, ヘレニズム以前のインド固有の要素, ヘレニズム以 降の西方系の要素, イスラム系占星術の要素からなる. インド固有の占いとして古く から行われていたのは, 月の周期を用いた広い意味での星占いであった. この占法で は, 問題となる天体は月と月の宿る恒星のみであり, 太陽と惑星は全く関係してこな い. ギリシア占星術が体系的にインドに導入されたのは紀元後であった. 西洋ホロス コープ占星術と惑星の概念は, インド土着の月占いや前兆占いと融合し, 現在も行わ れているインド占星術として体系化されていった. インド固有の要素である星宿占い は, 月がその日移動してきた場所にある明るい恒星を「宿」と呼び, 公転周期の約27 .3日に合わせて27もしくは28の恒星および恒星の集団を月の宿に選んだ. この月の宿 を「ナクシャトラ」と言う. 星宿占いでは誕生時に月がどの星宿にあったかで判断した.
 本発表では, インド占星術の歴史の概略を述べ, インド固有の要素である星宿占い について述べた. しかしホロスコープ占星術については詳細を述べることができなかっ た. 今後は, 6世紀中ごろ占星術の権威として数々の著作を残したヴァラーハミヒラ の最大の作品である『ブリハット・サンヒター』の英訳版などに当たりながら, イン ド占星術の構成要素の一つ一つについて, 確実に理解を深めていきたい.

2.質疑応答

[問] なぜヘレニズム以前に月に着目して占いが行なわれていたのか?
[答] 詳細はわからないが, 惑星の存在がインド人に知られてなかったために月に着 目したのではないかと考えられる.

[問] インドでは, 星の動きによって人の運命がわかるということをどう理論的に説 明するのか?
[答] 27星宿にはそれぞれ性格があるが, 性格が付与された理由はわからない.

[問](意見)天体の動きが地球上の出来事に影響を及ぼしているという理論について 調べてほしい.

[問](意見)占星術を論駁しようとするのではなく, 肯定する側の論旨を知りたい.



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