広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2013年度(前期) 第13回
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2013年7月26日(金9・10時限,B201)
発表者:小玉裕紀子(西洋哲学, B3)
発表題目:『カテゴリー論』を読むにあたって
配付資料:A4(片面), 5頁
プロトコル:小玉裕紀子(西洋哲学, B3)

1.発表要旨

今回の発表では, 『カテゴリー論』を原典で読むにあたり, アリストテレスの生涯, 著作, 『カテゴリー論』の概要とアリストテレスの諸著作における位置づけについて扱った. また『カテゴリー論』第一章に関しては, 発表者の訳を紹介した. アリストテレスの生涯については, アカデメイアに学び, その後のリュケイオン創設, 胃の病による死までの詳細が紹介された. アリストテレスの著作については, アリストテレスの諸著作が, それらがアリストテレスの死後に自身の手による講義原稿や, アリストテレスの講義を受講していた者の記録をもとに編纂されたこと, その際に偽書がまぎれこんだことに触れ, 『カテゴリー論』もまた, 注釈家たちが第九章まではアリストテレスの著作であるが, 第十章から第十五章にかけては後に書き加えられたものであるとみなしていることが紹介された. 『カテゴリー論』の概要については, オルガノンにおける位置づけ, 列挙されたカテゴリーが, それぞれどのようなものとされているかが述べられた. これらの後に, 『カテゴリー論』第一章の訳文が提示された.


2.質疑応答

[問]同音異義語について, 動物も書かれたものも動物とは呼ばれるとはどういうことか.

[答]動物も, なんであれ描かれたものもζῶον と呼ばれた. 日本語でζῶον に同じような仕方で対応する語がないため, 動物と訳した.

[問]『カテゴリー論』においてはどこまでがアリストテレスによるものといわれているのか.

[答]九章まではアリストテレスの著作であることが確実視されている.

[問]『カテゴリー論』がオルガノンの中で一番最初, というのは著作の順序としてか.

[答]早い段階でメモ書きのようなものが残されたことは分かっている. (補足: 『範疇論』, 『命題論』, 『分析論前書』, 『分析論後書』, 『トピカ』, 『詭弁論駁論』それぞれの著作が内容に基づいて秩序付けられることについては後に指摘された. )




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