広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2006年度 第16回a
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2006年10月20日(金9・10時限,B253)
発表者:中野冴香(インド哲学,D1)
発表題目:牧女たちにとってのクリシュナ像− 『バーガヴァタ・プラーナ』におけるバクティ思想−
配布資料:A3用紙2枚,A4用紙1枚
プロトコル: 杉本桂子(インド哲学,B4)


1.発表要旨

『バーガヴァタ・プラーナ』は至る場面で知を伴わないかたちのバクティを称賛する.この「知」とは,バクティの対象であるヴィシュヌ神の化身クリシュナに対する,最高我としての認識を指す.しかし牧女たちのクリシュナへの呼びかけ,称賛の歌からはかの女たちのかれへの認識が単なる生身の人間以上のものであるかのような語の使用が見いだせる.本稿ではそのような語を『バーガヴァタ・プラーナ』第十巻全体から拾い,その場面を個々に検討することで『バーガヴァタ・プラーナ』のバクティ思想の一端を整理する.


2.質疑応答

[問]一切はクリシュナであるのか.

[答]その通りである.

[問]牧女たちはクリシュナの思うようになるのか.

[答]牧女たちはクリシュナ自身なので思いのままである.

[問]「主よ」という語の主はクリシュナ以外に何を指すのか.

[答]ブラフマー神やシヴァ神や支配階級の者を指す.

[問]バクティとは何か.

[答]最高我性を具えた人格神への崇拝である.『バーガヴァタ・プラーナ』においては,最高神ヴィシュヌの化身であるクリシュナなどに対する,人間世界におけるさまざまなかたちの愛を指すようになる.

[問]牧女たちは自分とクリシュナを同一視しているのか.

[答]自分自身だと思ってしまうほどに愛しているのである.



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