広島大学大学院文学研究科
比較論理学プロジェクト研究センター
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哲学・インド哲学「論文ゼミ」の記録


2004年度 第17回
哲学・インド哲学 論文ゼミ
発表日:2004年10月29日(金9・10時限,B253)
発表者:野間恵梨子(インド哲学,M2)
発表題目:インド占術研究
配付資料:A3原稿2枚
プロトコル:岡田あゆみ(インド哲学,B4)

1.発表要旨

 太古の昔から21世紀の現代に至るまで,程度の差こそあれ,呪 術や占いは常に人間の生活とともにあった.インドにおいても それは例外ではなく,現存するものもしないものも含め多数の 占いに関する作品が編まれてきたが,その中でも最も有名な著 作として挙げられるのが『ブリハットサンヒター』(Br@hatsam@hita@ )であり,その著者であるヴァラーハミヒラ(Vara@hamihira) は,インドの占星術の歴史においてもっとも重要な役割を果た した人物と評されている.今回の発表では,この『ブリハットサ ンヒター』とヴァラーハミヒラの著作を中心に,インドの占い をいくつかに分類し,それぞれの分野に関する作品について述 べる.


2.質疑応答

[問] 「ラトナコーシャ」に基づいて記されたとされる「ジョ ーティシャラトナマーラー」は,内容が明らかになっているの か?

[答] なっている.「ラトナコーシャ」の方は調べきれなかっ た.

[問] 修論としては,どう論文に仕上げるつもりなのか.

[答] 様々な文献に書かれた占いについて集めて,それらにつ いてまとめる.ヴァラーハミヒラの著作は占いの本としてよく 描かれているので,中心にしていきたい.

[問] ムフールタは,一日の中の時間を分けて占うようだが,イ ンドには日本でいう大安や仏滅などといった日にちごとの占い はあるのか.

[答] あると思う.

[問] 干支によって時間の占いに違いはあるか.

[答] 考えていなかった.参考にしたい.

[問] プラーナ文献にも占いの記述があるというが,それは誰 のものか.

[答] わからない.

[問] 前兆占いで,例えば色など,不吉なものに共通するものは あるのか.鳩と梟が不吉と見做されるはどうしてか.

[答] 昼間に鳥が鳴くのはいいが,夜は不吉とされる.とこの様 に,普通と違う事が起きるのは不吉の前兆とされる.

[問] 「ブリハットサンヒター」の,網羅的な集成というのは, 諸々の分野を関連づけて占いを展開しているのか.

[答] 「ブリハットサンヒター」は様々な分野の占いを集めて 列挙したものであって,それらの関連性についてかいてあるわ けではない.

アドバイスとして
・今後,ヴァラーハミヒラの作品を読んでみたらどうか.また占 いの書物だけでなく,マハーバーラタなど叙事詩にも占いの場 面がたくさん出てくるかもしれないので,それらを集めてみて はどうか.
・取り上げる文献を絞って,論文の方向性を定めるべき.
・インドの人たちはなぜ占いを確実なものとしたか,占いの根 拠付けをしてはどうか.
・アージーヴィカの人々は占いで生計を立てていたという.そ れも調べてみてはどうか.
・ペルシャ語の「ミスラ」という読み方を検討してみてはどう か.
・ムフールタは暦註占星術と訳されるというが,ムフールタの 項に書かれた内容とcatarchicという語の意味は違うので,ムフ ールタの語源について調べてみてはどうか.
・数々の占いの背景となっているもの,例えばその占いをする 人々の宇宙観や世界観などを調べてみれば,占いの根拠付けを するという作業とも繋がってくるのではないか.




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