クマノコガイ


さて今回取り上げるのはクマノコガイです。

クマノコガイ全体.jpgクマノコガイ横.jpg撮影:山口信雄
クマノコガイ臍穴.jpg

地味です。ひたすら地味です。
他のネット上の紹介では「何の変哲もないのが特徴の貝」と言われ、
文字通り目も当てられない貝です。
そのためバテイラ、コシダカガンガラ、クボガイ等と良く間違われます。
臍(へそ)穴と呼ばれる貝の底面中心の部分が緑色をしているのが
見分ける一つのポイントでしょう。臍穴そのものは発達していないので、
穴ではなくちょっとした凹みのようにも見えます。

では、なぜこれを取り上げるのか。
一見地味でも、磨けば光る奴だからです。
やり方は貝殻の美しさ コンキオリンをご覧ください。

クマノコガイafter.jpg撮影:山口信雄

クマノコガイは干潮帯の上部の岩に付く海藻を削り取って食べるため、
満潮になってくると隠れ家から出てきて、岸壁などで見かけるようになります。
ただし、この実験所周辺ではコンクリート岸壁でなく、自然の岩や積み石に集中します。おそらく、コンクリートより積み石等に生える海藻の方が好みなのでしょう。

さて、このクマノコガイは貝殻だけでなく中身も地味ですが、
さらに奥を見てみると、少し面白くなってきます。

クマノコガイ生殖巣.jpg撮影:山口信雄

白っぽい部分が精巣、緑色の部分が卵巣です。

広島大学技術センターフィールド科学系部門生物科学班(長い・・)
の勉強会を先日向島臨海で開きましたが、その際に放精・放卵する様子が見られました。

あまり市場には出回りませんが、クマノコガイは食べられます。
味としては、卵巣が少々苦みとコクがあり、精巣は甘みがあります。
外套膜(身)の部分もそこそこ美味しいです。
料理法としては、醤油と砂糖で煮るのが最も簡単です。
ただし、クマノコガイはバテイラなどと比べて奥に深く引っ込むので、爪楊枝が届きません。
殻を持って強く振ったり、針金を殻に合わせて曲げたもので引っ掛けると取りやすくなります。
水から煮初めても、取りやすくなったりしませんでした・・・。

また、このクマノコガイは水槽に生える藻を食べてくれるので、水槽掃除にはもってこいです。
アクアリウムをされている方は、こういった貝をよく利用されていると思います。
お店で買うだけではなく、自分でこのような貝を採集されると、より愛着も増すかと思います。

クマノコガイ水槽掃除.jpg撮影:山口信雄

このクマノコガイは、2010年11月7日の広島大学大学祭の企画「ビオトープで遊ぼう」
にて展示しました。また、酸処理して真珠層を露出させた貝殻のプレゼントも用意しました。

(文章:山口信雄)(一部改変)

向島デジタル水族館
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Last-modified: 2017-12-08 (金) 09:55:38 (170d)