パナイ島北部・ギマラス島におけるツーリズム開発と漁村社会
鹿児島大学水産学部 准教授 鳥居享司
torii@fish.kagoshima-u.ac.jp
1.エスタンシャ    2.ギガンテス島    3.ギマラス島    4.コンセプシオン    5.アホイ

 2006年8月5日〜14日にかけてフィリピン中部のパナイ島およびギマラス島にお いて 漁村地域におけるツーリズム開発と住民対応の実態について調査を実施した。
 両地区では漁業が基幹産業のひとつになっている。ただし,資源への配慮が十 分では なく,高い漁獲圧力による資源悪化への懸念が広がっている。こうしたことから ,自治 体では漁業に変わる新たな収入源として観光開発に力を入れている。
 ただし,ボラカイ島やセブ島で見られるような大規模海外資本による開発を志 向する のではなく,住民参加型かつ環境に配慮したツーリズムの確立を視野に入れた取 り組み をすすめている。
 今回の調査では,パナイ島・ギマラス島の漁村地域における観光開発の概要に ついて 明らかにすることを目的とした。フィリピン大学ビザヤス校のエビリン先生・ジ ョイ先生 の協力の下,山下東子(明海大学),鳥居享司(近畿大学)が実態調査を行った 。

1.エスタンシャ
1)漁家
・ 漁獲対象魚;Tabagat (Toloy) → 漁獲方法:漁網
・ 1日の漁獲量:500kg(1船団で)
・ 加工:1日半ほど乾燥させる 生鮮500kg → 干物250kg
・ 販売形態:干物
・ 販売先:middle man
・ 販売価格:大きなサイズ80ペソ/kg,小さなサイズ55ペソ/kg


天日干しの様子


Tabagat (Toloy)

2)周辺漁業
・ 夜間はイカ釣り漁船が数多く出漁するため,海上にはかなりの集魚灯が見られる
・ アワビなどの貝類を漁獲する漁業者も見られる
・ アワビなどは干して台湾へ輸出される
・ ギガンテス島の周辺は魚影が濃く,それらを漁獲して周辺の小島で干す
・ 干物にして仲買人へ販売する
・ 台湾へ輸出されるケースもある
・ 商業漁民はギガンテス島周辺海域でBulaw,イカ,マグロなどをpukot漁法によって漁獲する


Small-scale fisheries


Commercial fisheries


漁具


出港するイカ釣り漁船


海に漂う集魚灯


1.エスタンシャ    2.ギガンテス島    3.ギマラス島    4.コンセプシオン    5.アホイ