駆動力変調法による相転移キネティクス
周期的に変調された外場に対する熱平衡状態近傍での系の応答は、いわゆる線形応答理論により解釈され、緩和現象の物理として統一的に理解されます。一方、熱平衡状態から遠く離れた状態での応答はどのように解釈されるべきか、という問いは物理科学にとって、これから明らかにされるべき課題です。私は、温度変調DSCと呼ばれる熱測定の新手法を用い、温度の周期的変調に対する高分子などの結晶化・融解キネティクスの応答を研究しています。高分子は乱れた系なので、広い転移点分布をもつという特徴があり、温度変調に対する相転移キネティクスの定常応答を研究する上で格好の対象となります。
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A. Toda (atoda(at)hiroshima-u.ac.jp)