可逆過程と不可逆過程(可逆変化と不可逆変化)
全体の平衡状態が保たれながら行われる過程が可逆過程(可逆変化),平衡状態へと向かう過程が不可逆過程(不可逆変化)である。平衡状態が保たれながら行われる可逆過程は,通常無限にゆっくりと進むことになる。

熱力学第2法則の表現を認めると,実際の日常経験に直接基づくわけではないが,順行可能な過程について,逆行不可能な一方向変化の不可逆過程は他の経路でも元には戻せない。すなわち、逆行できず尚且つ他の経路では元に戻せる過程は存在しない(下左図)。このとき一方で,何らかの方法で元に戻せる操作は逆行可能な可逆過程となる。すなわち,順行可能な過程に(断熱過程として)関与する全体の状態変化については,経路に依らず可逆か不可逆かに分類される。 可逆・不可逆性が状態量であるエントロピーSにより指標づけられる所以である(下右図)。

 
  1. 準静的過程と可逆過程
  2. 準静的過程, 可逆過程 PDF資料
  3. 熱力学資料全体
作成者:戸田昭彦(広島大学)