熱力学第2法則の表現を認めると,実際の日常経験に直接基づくわけではないが,順行可能な過程について,逆行不可能な一方向変化の不可逆過程は他の経路でも元には戻せない。すなわち、逆行できず尚且つ他の経路では元に戻せる過程は存在しない(下左図)。このとき一方で,何らかの方法で元に戻せる操作は逆行可能な可逆過程となる。すなわち,順行可能な過程に(断熱過程として)関与する全体の状態変化については,経路に依らず可逆か不可逆かに分類される。 可逆・不可逆性が状態量であるエントロピーSにより指標づけられる所以である(下右図)。