エネルギーと環境の熱力学
 エントロピー増大を伴う不可逆過程において,自発的に元に戻ることがない変化として「エネルギー散逸」と「物質拡散」の2つが挙げられる。
 いわゆるエネルギー,環境問題と呼ばれる課題には,エントロピー増大を伴うこれらの不可逆変化が関係する。環境汚染は「拡散した物質」そのものであり,また,第1法則からエネルギーの総量は保存されているが,周りの環境へと「散逸したエネルギー」は仕事として有効に使うことができない。エネルギー問題とは,仕事として有効に使うことのできるエネルギーの質の問題である。
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作成者:戸田昭彦(広島大学)