トラテロルコ三文化広場 〜メキシコ・シティ〜



メキシコ・シティの北にある三文化広場(La Plaza de Tres Culturas)は、先スペイン期の遺跡の上に、 植民地時代のサンティアゴ教会がたち、そのまわりを高層の団地や外務省のビルが取り囲んでいるため、 「三文化」と名づけられた。アステカ時代にはトラテロルコと呼ばれ巨大な市場があった。また、ここは クアウテモクの率いるアステカ軍がスペイン人の征服者コルテスによってうち破られたとされる場所でも ある。1968年には、「メキシコの奇跡」といわれた経済発展のもと、オリンピックの開催を目前にひかえた 10月2日、学生や労働者による反政府運動が、軍によって武力で鎮圧され、多数の死傷者を出すという惨事も 起こっている。メキシコにとってここは、いろいろな意味において忘れられない場所となっている。


教会のまえには、下のような石碑が立っている。



1521年8月13日
クアウテモクによって勇敢にも守られてきた
トラテロルコはエルナン・コルテスの手に落ちた

それは勝利でもなければ、敗北でもなかった
それはメスティーソ国民の痛ましい誕生であった
それが今日のメキシコである