講 演 会

(2004年3月4日(金) 広島大学総合科学部K204教室)



路上に生きる子どもたち 〜メキシコシティのストリートチルドレン〜



講師 工藤律子氏
ジャーナリスト・NGO「ストリートチルドレンを考える会」メンバー


 この講演会では、工藤氏が15年にわたる取材を通じて接してきたメキシコ・シティの 路上に暮らす子どもたちについて、写真やビデオをまじえてその姿を語ってくれました。工藤氏は、家庭内の 暴力などの何らかの事情で路上に暮らすようになった子どもたちは、たとえば、マルセリーノ、ロランド、カル ロス、オルガなど、固有名をもった普通の子どもたちであり、「ストリート・チルドレン」という子どもたちが 存在するのではないと強調しています。そして、路上に暮らすそれぞれの子どもたちの姿を追っていくことによっ て、そうした子どもたちを生み出してしまった社会の問題点を鋭く指摘しました。さらに、子どもたちに支援の 手をさしのべるさまざまな団体が取り組んでいる活動についての紹介があり、多くのひとびとが子どもたちの 自立のためにさまざまな取り組みを試みていることがわかりました。
 一見すると日本とは何のかかわりのないようにみえるメキシコという国で起こっている問題ですが、ストリート・ チルドレンの問題は、アジア各地をはじめ世界の広い地域が抱える問題です。そうした問題の背景のひとつには 貧困の問題があり、現代のグローバリゼーションの流れが大きく影響しています。つまり、日本にいるわれわれ とも深く関わる問題です。簡単に解決策の見つかるような問題ではありませんが、過酷な状況のなかで今なお 生きている子どもたちがいることをわたしたちは真剣に受け止める必要があるのです。

  

  

参加していただきましたみなさま、ありがとうございました。

2005年4月23日(土)に、メキシコのストリート・チルドレン支援団体のメンバーによる 講演会を、広島市内で開催する予定です。詳細につきましては、きまりしだいこのページなどで お知らせいたします。