海賊版『峠三吉・原爆詩集』について抗議する

 

 下関原爆展事務局(発行)が、海賊版『峠三吉・原爆詩集』(取扱・長周新聞社)を発行しました。これは、今年、峠三吉没後50年にあたり、市民グループの詩と思想の継承・文学的再評価をかかげた活動に乗じたもので、善意の多くの人たちを困惑させています。

 今回の海賊版の発行だけにとどまらず、各地で行なわれた「原爆と峠三吉の詩」パネル展においても、多くの疑念が寄せられていますが、当面、直接の当事者として、次のことについて抗議します。

 海賊版『原爆詩集』は、追加作品として「すべての声は訴える」を収録しています。これは、広島文学資料保全の会によって1987年(1990年は間違い)に発見、広島市中央図書館に寄贈された峠関連資料の一部であり、好村冨士彦氏(当時・文学資料保全の会代表幹事)によって整理・編集されたものです。(1990年『行李の中から出てきた原爆の詩』暮らしの手帖社刊に収録)今回の収録にあたり、海賊版は「細かい書き込みなどを検討判断し可能なかぎり忠実に起こした形で」と記していますが、部分的な改ざん・加筆さえ行なうなど、『原爆詩集』の価値を冒涜しています。もちろん文学資料保全の会ならびに中央図書館の諒解を得たものでなく、一方的盗用にあたります。

 具体的には、86頁23行目「そのような政策に反対する国民の口に破防法という」となっていますが、「破防法という」は本文には見当たりません。

 同じように88頁9行目「植民地支配に苦しんで来た」、89頁11行目「此の詩集はそのためにあなたにおくられるのだ」などの行は原作には存在せず、勝手に付け加えられたものです。(同様の改ざんはまだまだ散見するが割愛する)

 このような行為に対して、私たちは、峠三吉および広島の平和・文化運動を貶めるものとして、厳しく抗議するとともに、海賊版『原爆詩集』をただちに回収し、関係者に謝罪するよう求めます。

* なお、海賊版『原爆詩集』について、7月23日広島市政記者クラブにおいて公表したことをつたえておきます。

 

下関原爆展事務局 殿

 

2003年7月22日

峠三吉没後50年の会(共同代表・水島裕雅、海老根勲、御庄博実)

広島文学資料保全の会(代表幹事・古浦千穂子)

(広島市中区本川2丁目1−29−301 電話 082−291−7615)


この抗議文は2003年7月22日付けで、下関原爆展事務局・長周新聞社に対して送付されました。