視力障害

 めがねをかけても改善しない視力の衰えです。特に40歳以下で、いままで目が良かったのに、目が見えにくくなってきた場合、眼科で調べてもらっても原因が分からなかったら、頭の検査をする必要があります。
 目の神経(視神経)を腫瘍が圧迫していたり、視神経自体に腫瘍ができている場合があります。また、頭蓋骨の内側の圧力が上昇している状態が何年も続いたら、視神経と網膜の境目に傷害が出て、失明してしまうこともあります。


視野障害

 健康な人間は見える範囲が両目で約180度のあります。この範囲が欠けてくることを視野傷害(視野欠損)と言います。傷害される場所で視野欠損の状態が異なり、視野を調べることで腫瘍のできている場所が分かることがあります。
 ただ、おとしをめされてくると、病気がなくても外側よりたんだん視野は縮まってきます。


ものが2重に見える

 人間は目が2つあって、2つの目から入ってきた情報を頭で重ね合わして一つの像(絵)にしています。そのため、2つの目を共同して動かしているのです。片方ずつで180度見ることができたら、人間はもっと目が離れるように進化して、360度見ることができるようになっていたかもしれません。
 その目の共動運動がうまくできないときには像がずれて、ものが2重に見えてきます。多くは動眼神経と外転神経の障害によるものです。動眼神経が目を内側(鼻の方)と上下に動かします。外転神経はその名の通り目を外側(耳の方)に動かします。たとえば右目の外転神経が麻痺したら、右目が右に動かないので、右を見たときものが2重に見えます。右の動眼神経が麻痺したら、上下と(右目を内側に動かす)左を向いたときにものが2重に見えます。
 松果体というところに腫瘍ができると、両目とも上目遣いができなくなるため、ノートをとりながら黒板の字を写すときにものが2重に見えます。松果体の腫瘍は学童・学生に多く発生するのでこの症状で病院を受診する人も多いのです。