現代社会と経済B
担当教官: 李 東碩(い とん そく)
(研究室の場所): 総合科学部 A818 (内線番号: 6407)
科目区分: 教養的教育 個別科目
開設曜日時限: 後期 水3・4限 O.H. 月・火 12:00〜1:00
キーワード: 世界経済体制、富の世界一極集中化、排除型格差社会化、環境権、共生社会化
教養科目の中でのこの授業の位置:
世界情報経済体制下で、人々の間の格差が先進国と途上国を問わず広がり、世界経済の
重層的統合化が一層深まる中で、一国レベルでは説明できないメカニズムを理解することで、
環境権回復に向けた共生社会化のあり方を模索する教養教育の目標に迫る。
授業の目標等:
世界金融危機を契機とした世界危機管理体制構築の本格化と、各国で進む消費税率の引き上げや
社会制度設計の見直しといった「市場国家化」が、如何にして私達の環境権を縮小・剥奪するかを理解する。
授業の内容・計画等:
1.
オリエンテーション:世界経済体制の過去・現在・未来
2.
金融グローバリゼーションと「カジノ資本主義」
3.
サブプライム危機とアメリカ経済
4.
ヨーロッパの金融危機とユーロ
5.
世界金融危機とアジアの通貨・金融協力
6.
グローバル危機と通貨危機
7.
金融危機と新たな国際協調体制
8.
国際金融システム改革とIMFの役割
9.
世界金融危機と日本の課題
10.経済危機と東アジアの貿易
11.金融、経済危機と新興国インド
12.経済危機下のASEAN統合の行方
13.アジア市場の成長と新たな開発戦略
14.世界金融危機とAPEC
15.オバマ政権の通商政策と保護主義
テキスト・教材・参考書等:
馬田啓一・木村福成・田中素香編著『検証・金融危機と世界経済』、勁草書房、2010年、\3300.
成績評価の方法:
試験(一回のレジュメ報告+2/3以上の出席が前提条件)
履修上の注意・受講条件等:
講義形式が中心であるが、演習形式も部分的に取り入れ、レジュメを発表させた後、出された
論点をめぐって、皆と一緒にディスカッションを行う。毎回の予習としてテキストに目を通すこと。
レジュメは、火曜日午後5時までに、dslee@hiroshima-u.ac.jp(件名:現代社会と経済B)
に送ること(厳守)。
メッセージ:
富の世界一極集中化と排除型格差社会化が加速する現段階世界経済体制を的確に
捉えた上で、世界経済・環境・危機管理体制が今後私達の環境権にどう影響するか、身近な
コミュニティのなかでどう生きることが自分の環境権を守ることに繋がるかを深く考えてほしい。
教養科目の「グローバル経済と環境権」、専門科目では「世界開発論」を受講してほしい。