世界経済体制論演習

 

担当教官: 李 東碩(い とん そく)

  (研究室の場所): 総合科学部 A818   (内線番号): 6407

開設曜日時限: 前期 78限  O.H. 月・火・水 12:1012:40

ゼミの場所:総合科学部 A707ゼミ室

 

授業の目標等

1980年代以降、大多数の貧しい労働可能人口の社会・自然環境権(〓生活権と生存権)が、

世界経済の如何なる重層的統合化過程で縮小・剥奪されているかを、19世紀以降における

世界経済の歴史的諸段階の中での「連続性」と「断絶性」を含めて検討する。世界労働可能

人口自らが環境権を回復できる「共生社会化」に向けたコミュニティづくりが求められるが、

世界平和都市、ヒロシマの地で模索・実践していく。

 

授業の計画等

A 小野寺:

・テキスト:レーニン著『帝国主義論』(福島種典訳)、国民文庫、大月書店、1952

・内容:世界経済のグローバリゼーションが拡大・深化し、「排除型格差社会化」の加速による、

大多数の貧しい労働可能人口の社会・自然環境権(〓生活権と生存権)が縮小・剥奪される

現状を分析する歴史的前提として、20世紀初頭の帝国主義戦争を媒介とした、「金融資本」が

如何にして地球人口の圧倒的多数を支配できる世界経済体系を築いたかを再検討していく。

B 孫:

・テキスト:カール・マルクス著『資本論:経済学批判』第T巻(中山元訳)、日経BP社、2011

・内容: CDSに代表される金融派生商品という「労働なき富」に頼って、国家も企業も個人も効用

(満足度)を拡大してきた。グーグルとアップルに代表されるITサービス業は、世界分業を

拡大・深化する方式で富を蓄積してきた。その過程で、貨幣は「世界金融資本」へと変容した。

マルクスの価値法則に基づいた資本の運動を再検討しながら、世界情報経済体制の確立に

向かう現段階の政治経済学理論の再構築を試みる。

C 森田: 

・テキスト:P.ベナー,J.ルーベル著『現象学的人間論と看護』 、医学書院、2011

・内容:【「人を気づかい世話をする実践」としての看護の第1義性】を基本に据えた本書を読み

解く。マイノリティである在日韓国・朝鮮人が築き上げてきた在日高齢者のための介護現場

と行政、そしてそこをとりまく地域社会のエスノグラフィーにより、「差別」と「排除」を残したまま

の日本の多文化共生社会におけるケアのあり方について考察する。

・副読本:上野千鶴子著『ケアの社会学:当事者主権の福祉社会へ』、太田出版、2011 

井上俊著『岩波講座・現代社会学〈15〉:差別と共生の社会学』、岩波書店、1996

 

 

内容

司会

報告者

4

 3

研究報告

呉・光畑

10

1章 生産の集積と独占体

2章 銀行とその新しい役割

小野寺

小野寺

17

第T篇:商品と貨幣 第1章:商品 第1-3

24

第1章:気づかいの第一義性

森田

森田

5

 

「世界分業論」の研究報告

王・呉

8

3章 金融資本と金融寡頭制

4章 資本の輸出

5章 資本家集団の間での世界の分割

小野寺

15

1章:商品 第4

2章:交換過程 

 

22

2章:人であるとはどういうことか

森田

 

29

「世界分業論」の研究報告

 

6

 5

6章 列強の間での世界の分割

7章 資本主義の特殊の段階としての帝国主義

小野寺

12

3章:貨幣または商品流通 

 

19

4章:成人の人生諸局面における病気への対処

森田

 

26

「世界分業論」の研究報告

 

7

 3

8章 寄生性と資本主義の腐朽化

9章 帝国主義の批判

10章 帝国主義の歴史的地位 

小野寺

10

第U篇:貨幣の資本への転化  

4章:貨幣の資本への転化 

 

17

5章:健康の増進

森田

 

24

「世界分業論」の研究報告