「研究プロジェクトのご紹介」のトップに戻る
研究プロジェクト:「句や文の理解における意味表象形成プロセス」
メンバー
リーダー
 藤木大介(広島大学大学院人間社会科学研究科准教授)(1998.4-)

過去のメンバー(所属は当時のもの)
アドバイザー
 針生悦子(青山学院大学文学部助教授)(1998.4-2000.3)(指導教員)
 中條和光(広島大学大学院教育学研究科助教授)(2000.4-2005.3)(指導教員)

研究協力者
 井上雅美(広島大学教育学部心理学科)(2000.10-2002.3)

実験補助者
 平川 真(広島大学教育学部第5類(人間形成基礎系)心理学系コース)(2006.11-2007.3)
 1名(広島大学教育学部第5類(人間形成基礎系)心理学系コース)(2006.11)
 4名(広島大学教育学部第5類(人間形成基礎系)心理学系コース)(2007.4-7)

本プロジェクトの目的と意義
 人間が句や文を理解する際,どのようにして意味を把握していくのか,つまり,どのようなプロセスで意味表象を構築していくかを検討しています。人間が句や文を理解するためには,単に句や文を構成する単語の意味を1つ1つ思い出すだけでは不十分です。それぞれの語を何らかの心的な処理によって結びつける必要があります。そうすることで,ようやく句や文の全体としての意味を理解することができます。
 例えば,あなたは「青いポスト」という句を理解することができるでしょうか。通常,ポストは赤いので,「青いポスト」という表現を見るのはおそらく初めてではないでしょうか。けれども,人間はこういった初めて目にする単語の組み合わせもさほどの困難もなく理解することができます。ところが,人間がどのようにして単語の意味を結びつけているかといった心内での処理プロセスはまだ詳しくは解明されていません。本プロジェクトではこういった問題に取り組んでいます。
 そして,このような研究を行い,どのようにして句や文を理解しているのかを解明できれば,例えば,人間と会話ができるロボットを作る際にも有効なヒントになると考えられます。また,何らかの原因で言葉を失った方の治療方法の開発にも役に立つかもしれません。本プロジェクトではこういった将来的な貢献をめざし,基礎研究に励んでいます。

(参考:高校生のための研究紹介[PDF])

成果(2012年)
著書
♦ 藤木大介 (2012).文の意味表象の形成過程 深田博己(監) 心理学研究の新世紀 宮谷真人・中條和光(編) 第1巻 認知・学習心理学 ミネルヴァ書房 pp.456-469.

学会発表
♦ 藤木大介 (2012).文理解過程における主語名詞と目的語名詞のスキーマの述語動詞スキーマへの同時統合 日本心理学会第76回大会 専修大学 (9月12日) (日本心理学会第76回大会発表論文集,855.) [PDF]

成果(2007年)
論文(審査あり)
♦ 藤木大介・井上雅美・中條和光 (2007).形容詞-名詞句の意味表象の構造とその形成過程 認知心理学研究,4(2),49-56. [PDF]

成果(2006年)
論文(審査あり)
♦ 藤木大介 (2006).名詞句と動詞との間の意味的適合度が文の意味表象形成過程に及ぼす効果 認知科学,13(3),288-300. [PDF]

学会発表
♦ 藤木大介 (2006).形容詞-名詞句と動詞との間の適合度が文の理解過程に及ぼす影響―眼球運動を指標とした検討― 日本心理学会第70回大会 九州大学 (11月5日) (日本心理学会第70回大会発表論文集,957.) [PDF]

成果(2005年)
論文(審査あり)
♦ 藤木大介・中條和光 (2005).形容詞-名詞句の容認可能性が文のオンライン意味処理に及ぼす効果―文処理負荷と意味処理の方略選択との関係― 認知科学,12(3),252-269. [PDF]
♦ 藤木大介・中條和光 (2005).概念結合過程としての文のオンライン意味処理―形容詞-名詞句の典型性が文理解過程に及ぼす効果― 認知心理学研究,2(1),9-23. [PDF]

論文(審査なし)
♦ 藤木大介 (2005).文理解における形容詞-名詞句と動詞との結合過程 広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域),54,205-213. [PDF]

学会発表
♦ 藤木大介 (2005).形容詞-名詞句と動詞との間の適合度の差が文の意味表象形成過程に及ぼす効果 日本基礎心理学会第24回大会 立教大学 (12月3日) (基礎心理学研究,24(2),228-229.)
♦ 藤木大介 (2005).形容詞が非典型的な属性を修飾する名詞句の理解過程 日本心理学会第69回大会 慶應義塾大学 (9月11日) (日本心理学会第69回大会発表論文集,932.) [PDF]

成果(2004年)
学会発表
♦ 藤木大介・中條和光 (2004).形容詞-名詞間の典型性が名詞句の理解に及ぼす効果 日本心理学会第68回大会 関西大学 (9月12日) (日本心理学会第68回大会発表論文集,862.) [PDF]

成果(2003年)
論文(審査なし)
♦ 藤木大介・中條和光 (2003).概念結合過程としての文理解 広島大学大学院教育学研究科紀要 第三部(教育人間科学関連領域),52,239-246. [PDF]

学会発表
♦ 藤木大介・中條和光 (2003).概念結合としての文理解過程の検討 日本基礎心理学会第22回大会 筑波大学 (10月31日) (基礎心理学研究,22(2),222.)
♦ 藤木大介・中條和光 (2003).名詞句を伴う文の意味表象の形成過程 日本心理学会第67回大会 東京大学 (9月14日) (日本心理学会第67回大会発表論文集,915.) [PDF]
♦ 藤木大介・中條和光 (2003).名詞句の典型性が文の意味表象の形成に及ぼす効果 日本認知心理学会第1回大会 日本大学 (6月28日) (日本認知心理学会第1回大会発表論文集,168-169) [PDF]

成果(2002年)
論文(審査あり)
♦ Fujiki, D. (2002). Comprehension of Japanese sentences including adjective-noun phrases. The Japanese Journal of Psychonomic Science, 21(1), 43-44. [PDF]

論文(審査なし)
♦ 藤木大介 (2002).日本語文の読みにおける分節単位の検討 広島大学心理学研究,2,21-27. [PDF]

学会発表
♦ 藤木大介・井上雅美・中條和光 (2002).形容詞-名詞間の典型性が名詞句の再生に及ぼす効果 日本心理学会第66回大会 広島大学 (9月25日) (日本心理学会第66回大会発表論文集,768.) [PDF]

受賞
♦ 藤木大介 2001年度日本基礎心理学会優秀発表賞 (日本基礎心理学会) 「複文理解過程における限定形容詞の処理の検討」

成果(2001年)
論文(審査なし)
♦ 藤木大介 (2001).限定用法の形容詞を含む文の理解過程に関する研究 平成13年度教育学研究科修士論文抄(広島大学大学院教育学研究科),Pp. 315-316. [PDF]

学会発表
♦ 藤木大介 (2001).文理解過程における限定形容詞の処理の検討―構造処理が意味処理に与える影響― 日本心理学会第65回大会 筑波大学 (11月7日) (日本心理学会第65回大会発表論文集,483.) [PDF]
♦ 藤木大介 (2001).複文理解過程における限定形容詞の処理の検討 日本基礎心理学会第20回大会 関西学院大学 (9月23日) (基礎心理学研究,20(2),220.)

成果(2000年)
学会発表
♦ 藤木大介 (2000).文処理における構成素境界の重要度の検討 中国四国心理学会第56回大会 山口大学 (11月17日) (中国四国心理学会論文集,33,19.) [PDF]

外部研究費

平成19年度 広島大学研究支援金(若手研究者支援型) (広島大学)
 研究課題:
文の意味表象の形成における概念スキーマの複数同時統合プロセス
 研究代表者:
藤木大介(広島大学大学院教育学研究科助教)

期間
1998.04-継続中

「研究プロジェクトのご紹介」のトップに戻る