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カタリエヌモノ

** 2012.05の カタリエヌモノ **

 ++ 12.05.07 (mon) ++ 



ある学生に先日の「縦横無尽」の話をしたら,
「先生って『静止』ってイメージですよ」
と言われました(涙)。
#四文字熟語を使うまでもなく,2文字で言い表されてしまったし。

 ++ 12.05.08 (tue) ++ 



藤木研究室に初の修論生が配属になりました。

非公式ですが,学部生もゼミに参加してくれることになりました。

知的な喜びを感じられるゼミ運営をしようと思います。

 ++ 12.05.09 (wed) ++ 



今週から金曜日にゼミをすることにしました。

そのため,金曜日の更新を復活します。
その代わり,木曜日の更新をお休みすることにします。

ただし,明日は更新します(笑)。

 ++ 12.05.10 (thu) ++ 



ガンダムの話の中に「ニュータイプ論」というものがあります。

ニュータイプとは「誤解なく理解し合える人」のことです。
物語の中では,宇宙に暮らすようになった人類が距離や時間を超えてわかり合う必要が生じたため,テレパシー的な能力を手に入れる等,進化するのだと語られています。

ただ,よく考えてみればニュータイプ的な能力はそれほど特殊なものではないと思います。
つまり,心理学で言う「共感的理解」はまさにニュータイプ的洞察だと思うからです。

人はしばしば他人に同情します。
例えば,災害にあった人を見て「自分がもしあそこにいたら,つらかったろうな」と感じます。
そして,自分を被災者と重ね,気持ちを分かろうとします。

しかし,心理学ではこの同情と共感とを区別します。

共感とは,被災者その人本人になって追体験することです。
被災者の話を聞き,その人になりきって気持ちを共有します。

もしこれが出来れば「誤解なく理解し合える人」なんじゃないかと思うわけです。
普段から共感的理解をしようとしている人,出来てしまう人は,ニュータイプなんだと思います。
#さすがにテレパシー的なことは出来ませんが(笑)。

 ++ 12.05.11 (fri) ++ 



職業には,
 人と直接触れ合い喜びを与えるものと,
 物を作るなどして,それを通して喜びを与えていくものと,
があります。

大学教員は,
 学生と直接関わり
同時に
 論文を書いて読者に届ける
仕事です。

 ++ 12.05.14 (mon) ++ 



私は甘かった。

私が見てきた世界はすごく恵まれた世界だった。
私なりに厳しい現実に立ち向って来たつもりだったけど,それはあくまで私の世界の中での相対的なものでしかなかった。

世の中には,世界そのものが厳しい人もいる。
そんな人に対し,甘い世界でぬくぬくと生きてきた私は 何をしたら良いか考えることすら出来ない。

 ++ 12.05.15 (tue) ++ 



最近,世の中が,トップダウンの功罪のうち,メリットの方ばかりを見ている気がする。

 ++ 12.05.16 (wed) ++ 



大学教員として最もつらい業務の1つはセンター試験の監督です。

ものすごくプッシャーのかかる業務です。
1つのミスも許されません。

説明や指示に間違いがあってはいけません。
マニュアル通り,一言一句,読み間違えないようにします。

居眠りはもちろん,試験監督以外のことは一切してはいけません。

足音を立ててはいけません。
咳をしてはいけません。
くしゃみをしてもいけません。

非人間的な行動を丸2日間強いられます。

マニュアルは膨大です。
普段は教育・研究,大学の管理運営等で忙殺されている我々が,臨時で完璧な試験官にならなければならないのです。
我々は日常的に試験官としてのトレーニングを受けているプロではありません。

近年,リスニングの導入等により,さらにプレッシャーは高まっています。
また,受験生はちょっとしたアラでもすぐにクレームをつけてきます。
そして,報道はそれをおもしろおかしく書き立てます。

ものすごいストレスです。

我々もかつては受験生でした。
自分の受験がとても大事だったのと同じように,受験生の受験も大切にしています。

それでも,いつも完璧の業務をこなせるとは限りません。
複雑怪奇なことをやっているのですから,ヒューマンエーラーは起こりえます。

いずれセンター試験が原因となった心的外傷後ストレス障害を訴える教員が出てくると思います。

 ++ 12.05.18 (fri) ++ 



ご存じない方がほとんどだと思いますが(涙),私の専門は,
 人間が文を理解するメカニズム
です。

卒論で着手した課題についてはゴールが見えてきました。
数年前に区切りとなる実験をし,現在論文化中です。

ということで,数年来,次の一手について考えていました。
そもそも文理解研究とは何か等,根本的なことから考え直しています。

そして最近,ようやく次のフェーズのイメージが見えてきました。

 ++ 12.05.21 (mon) ++ 



「文の理解」は「世界を認識する行為」の一部である。

 ++ 12.05.22 (tue) ++ 



昔から天才が見ている世界を見てみたいと思っています。

けれども,才能のある人の話を聞いていると,どうも彼らは見ようとしてみているわけではないようです。

そう考えると,見てみたいと思っている時点で見えない世界なのかも知れません。

 ++ 12.05.23 (wed) ++ 



明日は教育実習の事前の挨拶に伺います。
明後日は所用で大学に出てきません。
明明後日は大阪で研究会です。

ということで,次回更新は28日(月)です。

 ++ 12.05.28 (mon) ++ 



研究は楽しいものです。

卒業研究等,強制される場合もあるでしょう。
仕事でやらざるを得ない場合もあるでしょう。

でも,基本,研究は楽しいもです。

研究はワクワクするものです。
あれこれ考えて,答えを導いていく知的なパズルです。
分かる喜びを感じさせてくれる行為です。
新しい価値を示す創造的な活動です。

だから,研究は楽しんでやってください。

研究が楽しくない場合,研究という行為に原因はありません。
楽しめてないあなたが楽しみを見つけられていないだけです。

 ++ 12.05.29 (tue) ++ 



羨ましいと思う研究者像は「華麗」
でも,目指している研究者像は「質実剛健」

 ++ 12.05.30 (wed) ++ 



生き残るための仕事の仕方を長くしてしまったため,
良い研究を追求する生き方へ切り替えてもいいのに,
感覚が戻って来ない。

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