福島県の地形
- 福島県の地形
- 1)アナグリフ画像による概観
- 福島県はには東部,中部,西部に3つの山地が南北に走っている。東部山地の東には細長い平地が広がっている。東部山地と中部山地との間には北と中央に広い盆地が見える。中部山地の西は県内でも特に山地が密集している。西部と中部の間には周りを高い山々に囲まれた南北に長い盆地が見える。
- 2)児童生徒の学習内容
- 福島県には3つの大きな山地が南北にのびている。東から,阿武隈山地,奥羽山脈,越後山脈である。この山脈によって福島県は3つの地方に分けられている。阿武隈山地東部の浜通り地方,阿武隈山地と奥羽山脈の間の中通り地方,奥羽山脈と越後山脈の間の会津地方である。浜通り地方は南北に長い平地が広がっている。中通り地方は阿武隈川が南から北に流れており,その川に沿って,郡山盆地,福島盆地などの盆地が並んでいる。また鉄道や新幹線,高速道路などの主要交通路が集まっている。会津地方はそのほとんどが山地である中,南北に長く広がっている会津盆地(会津平とも呼ばれる)が目立つ。会津盆地は高い山々に囲まれており,冬の寒さは厳しい。県の中央部には猪苗代湖がある。日本で4番目に広い面積をもっている。
- 3)教材の解説
- 福島県は東北地方の最南端に位置し,東は太平洋に面する海岸線で,南は茨城・栃木の両県,西南の一部が群馬県,北を宮城・山形の両県に隣接している。県土面積は,13,782,75平方kmで北海道,岩手県に次いで全国第3位の広さを有する。
- 福島県は日本列島の特徴と同様に山地が多い。福島県は南北にのびる阿武隈山地,奥羽山脈の2つの大きな山地によって,3つの地方に分けられている。最も東にある阿武隈山地と海に挟まれた地方が浜通り地方である。浜通り地方は阿武隈山地を水源として東流する宇多川,真野川,新田川,夏井川,鮫川などが太平洋に注いでおり,山地と低い丘陵が多い。阿武隈山地東部の山麓では200m近い高度をもつが,東に向かってしだいに低下し,40〜50mの海岸段丘となる。県中央を走る奥羽山脈と阿武隈山地との間が中通り地方である。ここでは阿武隈川が北流し,この川に沿って福島盆地や郡山盆地が形成されている。奥羽山脈と県の西部に位置する越後山脈とに挟まれた地方が会津地方である。会津地方はとくに山地が多い。南会津郡の南端,尾瀬沼に源を発して北へ流れる只見川と裏磐梯から猪苗代湖を経由して西流する日橋川,日光境を水源として北に流れる阿賀川とが会津盆地周辺で合流しており,新潟県に入ると阿賀野川と名前をかえて日本海に注ぐ。飯豊山地の飯豊山(2,105m),磐梯山(1,819m),背炙・会津布引山地の木戸岳(1,416),南会津山地の博士山(1,432m)といった高い山々が多く見られる。猪苗代湖は103平方kmの面積をもち,琵琶湖(滋賀県),霞ヶ浦(茨城県),サロマ湖(北海道)に次ぐ日本で4番目に広い湖沼である。湖面の海抜高度が514mに達し,西の会津盆地に対しても東の郡山盆地に対しても300m前後の落差があり,水力発電のための貯水池となっているほか,灌漑用や水道用の水源としても利用されている。