福島盆地の地形
- 盆地の地形−福島盆地
- 1)アナグリフ画像による概観
- 北東から南西にのびた盆地であり,二つの円形の盆地が連結したひょうたんのような形に見える。盆地の西や北西には比較的険しい山々が見える。盆地の西側には扇形をした地形がいくつも見える。盆地の南部には平地の中に孤立した山が分布している。
- 2)児童生徒の学習内容
- 福島盆地は東を阿武隈山地に,西を奥羽山脈に囲まれた盆地である。この盆地に出入りする時は,道路や鉄道は急な斜面を上り下りしなければならない。福島盆地は果物栽培で有名である。盆地南部の西側には扇状地があり,なしなどの果物がつくられている。盆地には阿武隈川が北に向かって流れ,盆地北部ではそのまわりでは桃,りんごなどがつくられている。盆地の南部にある孤立した山は信夫山で,その南側に市街地が広がっている。福島県の政治や商業文化の中心となっている。
- 3)教材の解説
- 西は奥羽山脈,東は阿武隈山地で摺上川上流部には半田・栗子両山地があり,東部に東根山地,南東部には達南から安達東部に広がる両達山地がある。周囲の山地と盆地床との比高が大きく,盆地床との間は急斜面となっている。奥羽山脈から流れ出る荒川,須川,松川,小川などの川が押し出した多量の土砂が盆地西側に堆積して扇状地を形成している。
- これに追いやられるように阿武隈川は盆地南部では東端を北流している。盆地の北部では阿武隈川の川べりに氾濫を繰り返した地形が広がっている。その氾濫原にはS字状に曲折した旧河道が見られ,その一部は長細い水田が連なっている。盆地南部の西側にある扇状地では,梨などの果物が栽培され,盆地北部の氾濫原で,もも,りんご畑,桑畑や野菜畑となっているところが多い。信夫山(268m)や盆地床から孤立した丘は,盆地を土砂が堆積する際に埋め残されたものである。盆地南部の東側の平地には,福島市の市街地があり,本県の政治,商業文化の中心を形作っている。