日本の地形
- 日本列島の地形
- 1)アナグリフ画像による概観
- 日本列島は山が多いのがわかる。険しい山があれば,なだらかな山もある。山地は東北日本では南北方向に,西南日本では東西方向にのびており,まるで日本列島の背骨のように連なっている。それに対し,平らな土地が山の間や海側に小規模なものが分散して見える。
- 2)児童生徒の学習内容
- 日本列島は環太平洋造山帯に属しているために山が多く,火山や地震が多い。大地溝帯(フォッサマグナ)を境にして東北日本では南北方向に山地がのび,西南日本では東西方向に山地がのびている。これらの山地により日本列島は太平洋側と日本海側とに分けられている。日本の平野は川が山を削り,運んだ土砂がたまってできている。世界には川や氷河などで削られた広い平野があるが,日本の平野は国土が山がちであるため,規模が小さく,臨海部に点在している。また,日本の川は短くて流れが急である。天候や季節によって水量の変化が激しい。それゆえに洪水や水不足,山崩れや土石流が発生することもある。
- 3)教材の解説
- 日本は太平洋をとりまくように発達した環太平洋造山帯に属している。中生代から新生代にかけて起こった地殻運動により形成されたもので,その運動は今も続いている。この不安定な大地上に位置しているために,日本は地震や火山が多い。
- 日本は山が多い国である。総務省統計局(2003年)によれば,日本の国土の約61%が山地である(約13.8%は低地,約11.7%は丘陵地,約11%は台地,約2.4%は内水域)。日本の山地は本州中央部を横断する断層地帯のフォッサマグナ(糸魚川−静岡構造線)を境に,東北日本では南北方向に,西南日本では東西方向に山地がのびている。
- 日本の平野は河川や海洋の堆積作用によって形成された堆積平野がほとんどである。河川の堆積作用によるものは,谷底平野,扇状地,氾濫原,三角州などがある。海洋の堆積作用によるものには海岸平野がある。
- 日本は国土が細長い上,山地が海岸にまでせまっているところが多いので,河川は一般に短く,急な傾斜をしている。また,春先の雪解け,初夏の梅雨,夏から秋にかけての台風,秋雨の時のように季節や天候により,水量の変化が激しい。それゆえに,平地では洪水や水不足,山間部では山崩れや土石流が発生することがある。
- 日本の海岸は太平洋沿岸では半島の出入りが多く,岩石海岸や砂浜海岸が交互に現れる。日本海の沿岸は出入りが少なく,冬の季節風が強いこともあって砂丘の発達した砂浜海岸が多い。