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平常点を考慮して成績をつける理由
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限られた時間内にすばやく考えて結果を出すことや,
沢山の内容を記憶することなどが苦手であっても,
沢山の資料の中から必要な情報を得る能力,
ゆっくりだが深く考える能力,
勤勉さなどの能力などで,
ある程度カバーできるようにしている.
社会に出たときに,後者の能力もたいへん重要である.
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また,普段は勉強しなくても,試験では良い点数を取れると錯覚している
受講生に警告を与える意味もある.
平常点の良くない学生が,試験で良い点数を
とることは,極めて稀だということが,過去のデータから分かっている.
(しかし,どうしても自信があって,かつ,きちんとレポートを提出できない
受講生は,仮に平常点を40%さぼっても,不利には働かない.
その場合でも試験で60%を取れば合格となる.
さらに,もっと自信のある受講生は,平常点は20%でも,
試験で満点を取れば,合格できる.)
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(2) |
総合点で60%を合格ラインとする理由
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試験やレポートには,講義で扱った基本的な内容を,正しく理解していれば,
無理なく答えられるものを出題している.60%程度の内容に答えられないようで
あれば,十分によく理解していないと判断した.
しかし,問題の難易度は,十分にコントロールできるものではないから,
平均点などの結果から考えて,多少合格ラインを下げることはある.
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(3) |
試験点に下限を設ける理由
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残念ながら,平常点のみでは,学力の測定について信頼性が薄いために,
試験の点数にも最低ラインを設けている.
本人も意識していない場合もあるだろうが,
ノートや教科書を見たり,友達同士相談しながら作成していると,
つい無批判に,理解していないことまで,
そのままレポートに書いてしまうことがあるようだ.
友人同士で,教えあったり,ディスカッションして,内容についての
理解を深めることは,奨励するが,レポート作成のときに,
机を並べていると,知らず知らずのうちに,単なる丸写しになってしまいやすい.
実際,完全に間違った内容のレボートを,改行位置や,式変形のステップまで
そっくりに写してくるものがある.
(最初に知らせたように,酷似した内容のレボートは,双方とも0点とした.)
最初から勉強の出来る友達の知恵を求めるのではなく,
まずは自力で考える努力をして,友達に教えてもらったあとも,そのレポートを
参考にして書くのではなく,教えてもらったことをヒントに自分で考えて
レポートを作成するとよい.
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(4) |
試験点で40%を下限とする理由
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平常点考慮といっても,試験で40%に到達しないようであれば,やはり内容に
ついての理解が不十分なのだと判断した.試験には必ず,内容を理解してさえ
いれば,計算力や記憶力がなくても解答できる,簡単な問題も混ぜているので,
40%に到達するのは,きちんと受講する心構えさえあれば,容易であろう.
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