アメリカ文学の中でもフォークナーとヘミングウェイを中心としたモダニズム文学と、スタイロンやモリスンが関わる南部文学や黒人文学を対象にして、文化多元主義やポストコロニアリズムの観点から、人種、階級、ジェンダー、地域の視点を通して文学表象の複合的様態を領域横断的に研究。特に地政学という概念を取り込んだ新地域主義(New Regionalism)という観点から追究。
論文としては、上記の作家の他に、メルヴィル、ホーソーン、アンダスン、ウルフ、オニール、メイラー、ケルアック等の作家についても発表しています。
日本アメリカ文学会会長、日本フォークナー協会会長(2期目)、中四国アメリカ文学会会長、中四国英文学会会長。
著書--『ウィリアム・フォークナーの世界--自己増殖のタペストリー』(南雲堂、1997)/『アメリカ文学研究資料事典--アメリカ研究図書解題』(南雲堂、1994)、
History and Memory in Faulkner's Novels. Ed. Fujihira Ikuko, Noel Polk,
and Hisao Tanaka. Tokyo: Shohakusha, A006.
翻訳--ウィリアム・フォークナー『村』「フォークナー全集第5巻」本邦初訳(冨山房、1983)
2003年4月1日に広島大学で認可された「アメリカ・エスニック文学プロジェクト研究
センター」代表として、研究会を6月、9月、12月、3月に開催。本センターは、定期的に研究発表会を開催し、アメリカのエスニック文学を4年のプロジェクトで総合的に捉える作業に従事することを目標としています。
同研究センターの組織・構成は以下の通りです。
研究員
田中久男(広島大学大学院文学研究科教授)--アフリカン・アメリカン
(黒人)文学
伊藤詔子(広島大学名誉教授、現松山大学教授)--西部マイノリティ環境文学
(ネイティヴ・アメリカン文学を含む)
新田玲子(広島大学大学院文学研究科助教授)--ユダヤ系アメリカ文学
的場いづみ(広島大学総合科学部助教授)--戦争表象とエスニシティ
島克也(広島大学文学部教務補佐員)--S.F.における人種意識
宗洋(高知大学文学部講師)--S.F.文学・映画と移民表象
客員研究員
吉田美津(松山大学経営学部経営学科教授)--アジア系アメリカ文学
横田由理(広島国際学院大学教授)--ネイティヴ・アメリカン文学
デイヴィッド・ヴァリンズ(広島大学大学院文学研究科外国人教師)
--ポストコロニアル文学
増崎恒(追手門大学講師講師)--自然主義文学と移民
大野瀬津子(九州工業大学人間科学講座常勤講師)--William Faulknerと人種
中島美智子(米子高専講師)--スタインベック文学におけるネイティヴ・アメリカン
研究協力者
金丸敏志(広島大学大学院文学研究科博士課程後期)--黒人文学
松永京子(広島大学大学院文学研究科博士課程後期)--インディアン文学
栗原武士(広島大学大学院文学研究科博士課程後期)--ユダヤ系アメリカ文学
樋口友乃(広島大学大学院文学研究科博士課程後期)--亡命文学
真野 剛 (広島国際大学講師)--Nature Writing