光子の横方向運動量を用いた量子ビットの生成とその制御


図2:実験で得られた干渉パターン


図1:運動量に関して絡み合った状態の概念図

 パラメトリック下方変換によって発生する光子対は,進行方向に垂直な横方向の運動量に関して絡み合った状態にあります.このため,例えばそれぞれダブルスリットを通過させるときに,光子1が右側スリット(R)を通過したと確定すれば,光子2は必ず左側スリット(L)を通過し,その逆も成り立ちます(図1).さらに,ダブルスリットによる干渉パターンにも相関があり,光子1の観測点を変えると,図2の赤と青のように光子2の干渉縞が移動します.つまり,絡み合った光子対では,干渉縞の現われ方も測定まで決まっていないことになります.ちなみに光子1を観測しないと,光子2の干渉縞は観測されません(図2の紫).光子1を測定しないと光子2の状態が純粋状態から混合状態に変化するためです.  なお,この研究は現在は行っていません.


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