経時変化データ解析上の問題点 緩和と反応の分岐という問題に入る前に,profileデータ解析における問題点を見ておきましょう。実験では各振動準位上の分子占有数の経時変化(=profile)を観測して,その解析から速度定数を決定することが必要となります。
例えば,逐次反応系におけるBの反応速度式は ですが,これを(ここでは簡単のために)[B]0=0という条件で解くと, が得られます。(A,B,Cを振動準位v=2,v=1,v=0と見るとわかりやすいでしょう。)
通常は,観測したBのprofileを再現するように非線形最小2乗フィットを行って,速度定数k1, k2を決定するということが行われます。しかし,非線形最小2乗解析には,
(1)解析に必要な初期値の与え方によって結果(収束値)が異なることがある。
(2)k1とk2の差が小さいときには,うまく解析できない。(解析式が0/0の形になる。)
などの問題点があります。
そこで開発されたのが,Integrated Profiles Method(Yamlab名:IPM)です。