何年ぶりに読んだのだろう。 久しぶりに読んだら、すごく新鮮でした。 初めて読んだ時の衝撃をちょっとだけ思い出した気がします。 おおまかに説明すると、ある病院で婿養子が密室から忽然と姿を消すという事件が起き、そのショックで奥さんは20箇月も妊娠したままで世間で様々な噂を囁かれ、それを苦にした奥さんの姉 (涼子) が探偵 (榎木津) に調査を依頼して話が発展していくという物語です。 おおまかすぎー。
読んでみて、まず関口が結構しゃべることにビックリ。 この時はまだ元気だったんだ、この後次々に巻き込まれていく事件のせいで鬱病がひどくなってしまったんだな。 でも 『邪魅の雫』 ではまた少し元気を取り戻していた気がするので安心です。 次に榎木津が優しくてビックリ。 木場修に 「このままだと関口が大変なことになるから、行って助けてやってくれ」 なんて言ってたんだぁ。 最近 (という言い方は正しいのか?) じゃ考えられない発言ですね。 キャラがまだ定まっていなかったのか? 京極堂も笑ったりしてたんだなぁ、最近はしかめっ面ばかりの印象なので新鮮でした。 それと、思ったより妖怪に関する講釈が少なかったことにも驚きました。 徐々に長くなってきたのかな、『邪魅の雫』 の後に読んだから、私の感覚が麻痺してるのか? 『姑獲鳥の夏』 は出た当初友達に借りて読み、その後 『魍魎の匣』 からずっと自分で買って読んでいたのですが、何年か経ってから 『姑獲鳥の夏』 だけ持っていなかったことに気づいて購入したということを、今回思い出しました。 帯に 『絡新婦の理』 まで書いてあったので、ずいぶん最近買ったんだなぁ…と思ったのですが、それでも9年前だって。 内容についてはかなり覚えていたのですが、それでもやっぱり面白かった。 ラストのお腹が裂けるシーンはやはり強烈でしたね。 丑三つ時に状況を想像しながら読んでしまいました。 今回は涼子の心の中まで考えながら読むことができたような気がします。 なので最後に死んでしまった時は悲しかったけど、関口のおかげで心は救われたのかもしれないと思うと私の心も救われます。 最後の関口の 「涼子もここにいれば笑っただろうか」 という思いを読んで、ちょっとうるっときました。 改めて読み返すと新しい発見があって良いものです。 よし、次は 『魍魎の匣』 だっ!
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